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2016年12月3日土曜日

スカウト・デイズ 本城 雅人・著 (PHP文芸文庫)

「おまえ、スカウトの仕事は、チームにいい選手を入れることだと思っちゃいねえか」
伝説のスカウト堂神恭介の言葉の意味を新米スカウトの久米純哉は身を持って知ることになる。“堂神マジック”と言えれる隠し球の指名の陰にあるのは犯罪すれすれのきわどい情報戦や他球団だけでなく選手、関係者をもだますような駆け引き。戸惑いながらも純哉は章立ての「1年目」、「2年目」、「3年目」、「4年目」とスカウトとして成長していく。
スポーツ新聞記者の島岡達之は、“堂神マジック”の犠牲者の一人。先走った誤報記事がもとで左遷。堂神のしっぽをつかもうと奔走する。
二人が行き当たる“堂神マジック”の裏、「Dライン」。「Dライン」とは何なのかと野球小説はミステリーへと舵を切っていく。
著者の本城 雅人氏は「サンケイスポーツ」の記者だっただけにエピソードやキャラクターの描き方にリアリティがある。この話はあれがモデルになってるな、とかこのスカウトは〇〇さんがモデルとか思い浮かべながら楽しんだ。

2016年11月14日月曜日

神宮納め

 【No.105 2016/11/13 履正社高 4-3 福井工大福井高 神宮球場 明治神宮外苑創建九十年記念第四十七回明治神宮野球大会】
【No.106 2016/11/13 関西大 1-4 明治大 神宮球場 明治神宮外苑創建九十年記念第四十七回明治神宮野球大会】
今日も神宮。今年最後の神宮。
アマチュア最後の大きな大会、明治神宮大会。
8時30分プレーボールの高校の部から日没までどっぷり観戦することもあるが、今年は1週間後にフルマラソンを控えていることもあり自重。観戦を六大学代表の明治大学の初戦だけに絞った。
球場に着いたときは高校の部の第2試合の試合中。メインに備えて、腹ごしらえ。僕の球場めしはカミさんの作ってくれるおにぎりが定番だけど、最終日だけは神宮球場名物のカレーを食べることにしている。シンプルでどこかなつかしい味。

席に戻って、関西大学の応援団の人数にびっくり。六大学のリーグ戦並みもとい以上の入りではないか。
「関西大学 関西大学 関西大学 長き歴史」
伝統の学歌をここ神宮がホームグランドであるかのように堂々と歌い上げる。六大学では見られないチアスティックを使った応援はアメフトの応援の影響なのか。バスツアーで来た現役学生も多く来ているのか迫力がある。屈指の“応援力”を誇る明治もタジタジ。
応援で少し押し込まれた感のあった明治も試合では主導権を握らせない。初回に佐野 (4 広陵)、牛島 (4 門司学園) の連続ツーベースで先制。3回には佐野のスリーランで突き放す。エース柳 (4 横浜) を次戦に備えて5回で降板させ、齊藤 (3 桐蔭学園) 、星 (4 宇都宮工) が少しひやひやさせる場面もあったが4-1で勝利。
試合後も両校応援団の校歌、学歌、エール交換が粛々と。古き良き時代の大学野球を彷彿とさせる光景だった。
今年もお世話になりました。球場でおなじみの方にあいさつしたあとはしばし球場を眺めて、帰路についた。












2016年11月11日金曜日

古田式・ワンランク上のプロ野球観戦術 (朝日新書)

内容(「BOOK」データベースより)

球界一の頭脳派・古田敦也が、自身の経験を元に、野球観戦のレベルが格段に上がる「コツ」を、松井秀喜、イチロー、ダルビッシュ有、田中将大ら一流選手のプレーを例に挙げつつ伝授する。これを読めば、試合を見る「目」が、確実に変わる!

はじめにのところで古田氏は、2回変化球を空振りしたバッターが次のストレートを見逃して三振に倒れた場合を例にして、「多くのファンの皆さんは、このバッターを変化球もストレートも打てないただ駄目なバッターだと嘆かれると思います」として、そこにある深い心理戦が分かるようになるコツを伝授したいとこの本を初めている。
「なんでバットを振らないんだ」。これは、「バントくらい出来ないのか」と並んで「野球観戦あるある」的にネット裏でつぶやかれるフレーズ。そういう人に限って野球通を気取っているからたちが悪い。、「野球観戦」の経験値は高くても「野球」そのものの経験値は低いから仕方ないことだが、「もっと野球を深く観た方が楽しいのになあ」と常々思っている。
こういう本を読んで勉強して欲しいが、まあそういう方に限って謙虚さがないからなあ(笑)。俺は古田より野球を知っている、と言いかねない。

「ピッチャーの観方」「バッターの観方」「守備の観方」「監督の戦術」という章立てでプロ野球の選手を例に出しながら、ポイントを解説している。
「ピッチャーの観方」の章では、良いピッチャーの条件として①球速②変化球の種類③変化球の質④コントロールに加えて、クイックモーション、牽制球、バント処理(三種の神器)の大切さをと説く。こういう総合力の高いピッチャーとしてヤンキースの田中将大を挙げている。
上原浩司のフォークを使ったカウント稼ぎや三浦大輔のカットボールの有効な使い方、カーブを投げる難しさ、杉内俊哉のフォームの打ちにくさなども解説してある。
個人的に面白いなあ思ったのは、かつてはマウンドが今より30センチ高かったという事実。「2階から落ちてくるカーブ」というのもまんざら大げさな話ではないのだ。
「バッターの観方」。もっとも良いバッターは「選球眼」の良いバッター。落合博満さんは審判との会話の中で「選球眼」の良さを印象づけていったらしい。
「守備の観方」。自身のポジションであったキャッチャーについて「観察力」の大切さを説いている。
新庄剛志はイメージとは裏腹にベンチの指示がなくてもポジションを変えられる「できる」外野手だったのだとか。
「監督の戦術」ではID野球を叩きこまれた野村克也監督とのエピソード。最初のミーティングで黒板に書かれた言葉は「耳順」。人はとかく目から入ってくる情報ばかりに頼りがちだが、耳から入ってくる情報にもっと気をつけなさい、大切なことを聞き逃すなということ。これだけ書いたミーティングの翌日からプロとして、人として、野球人として自覚を問うミーティングが続いたのだとか。

「なんでバットを振らないんだ」とか言う前に人の話をもっと聞いてはいかが。「耳順」ですぞ。

2016年11月4日金曜日

清宮、5打席連続三振 その配球

【No.103 2016/11/3 慶應義塾大 1-10 法政大 神宮球場 2016東京六大学秋季新人戦】
【NO.104 2016/11/3 日大三 6-8× 早稲田実 神宮球場 平成28年 秋季東京都高等学校野球大会】
今日も神宮。
怪物はホームランではなく、三振でスタンドをわかせた。
早実の清宮幸太郎が「こんなに三振したのは初めて」という日大三の左腕エース桜井周斗から5打席連続三振。
5打席の配球を振り返る。記録に一部自信がないが....。

(第1打席)二死ランナーなし
①外ストレート(141km/h)を見逃すボール 1-0
②外スライダー(128km/h)に空振り タイミングが合ってない 1-1
③外スライダー(128km/h) 見逃しストライク 1-2
④スライダー(126km/h)空振り三振
外をストレート、横のスライダーで攻めて、最後は縦のスライダー。前の2人のバッターには使ってなかったボール。
(第2打席)二死ランナーなし
①外ストレート(?)を見逃すボール 1-0
②外スライダー(?)を見逃すボール 2-0
③外ストレート(140km/h) ファウル 2-1
④内ストレート(?)見逃しストライク 2-2
⑤スライダー(?)空振り三振
外を見せておいて、この試合始めてインコースのストレートで追い込む。最後は第1打席と同じ縦のスライダー。
(第3打席)一死ランナーなし
①外スライダー(127km/h)ファウル 0-1
②インコースストレート(?)ファウル0-2 振り遅れたバックネット方向へのファウル
③スライダー(127km/h) インコースから入ってくるスライダーに見逃し三振
この打席もインコースが効いていた。最後は外のスライダーをイメージしていたのか?
(第4打席)一死ランナー二塁
①外ストレート(?)ボール 1-0
②外スライダー(125km/h)見逃しストライク 1-1
③外ストレート(132km/h) 空振り
④外スライダー(126km/h)空振り三振
3打席連続の三振の焦りなのか、一打勝ち越しの気負いなのかボール球のスライダーを空振りしての三振。当てになきゃの追い込まれた気持ちが見てとれた。2打席目、3打席目で見せられたインコースのストレートはこの打席はなかったが、その効果を十分に感じた打席。
(第5打席)無死二塁
①外スライダー(128km/h)空振り 0-1
②外ストレート(?) ボール 1-1
③外ストレート(?)  ボール 2-1
④外スライダー(129km/h)ファウル 2-2
⑤外スライダー(126km/h)ファウル 2-2
⑥スライダー(129km/h)空振り三振
桜井のスライダーのキレも落ちてきていたが、ここまでの余韻で三振したような打席。一打サヨナラの場面に決めたいという気持ちが強く出て外のスライダーをおっかけていた印象。

桜井の体の近くで曲がってくるキレのいいスライダーがインコースを見せることでより有効だった。
これまで、清宮には「ぶつけてもいいから」とインコースを投げてくる投手が多かったが、桜井は「ぶつけてなくてもいい」インコースでストライクをとることを意識して投げていた。インコースにきっちり投げられる投手には参考になる攻め方だった。

2016年10月31日月曜日

不敵な笑みでラストボール

【No.102 2016/10/30 慶應義塾大 1-2 早稲田大 神宮球場 2016東京六大学秋季リーグ戦】
  今日も神宮。    
 華の早慶戦は第2ラウンド。試合開始1時間半前の11時30分頃に神宮に向かって歩いていたら、遠くから「紺碧の空」が聞こえてきた。おやっと思ったら、すっかり忘れていたが隣の神宮第二球場で早稲田実業が試合していたのであった。 東京都の高校野球の秋季大会は準決勝。第1試合は早稲田実業が国士舘と、第2試合は地元の日野が日大三と対戦という魅力的な組み合わせ。少し観てから早慶戦に行こうかなと思っていたが、ネット裏最上段に連なる立ち見の観客を見てあきらめた。清宮人気恐るべし。    
 早実がコールド勝ちで決勝進出を決め、日野が日大三に挑む試合が始まって間もなく早慶戦が始まった。  前日に慶應のエース、 加藤拓 (4 慶應) に12三振被安打3に抑え込まれた早稲田打線。初回、キャプテン石井 (4 作新学院) の右中間最深部へのソロホームランで先制する。2回には竹内 (4 松阪) のタイムリーで追加点。ダメ押しておきたかった中盤、慶應の2番手菊地 (2 慶應志木) に3イニングで6つの三振を奪われて慶應を振りきれない。エースの加藤に似たオーバースローから角度をつけて投げてくる低めの落ちる球を早稲田のバッターは見極められず、バットが空を切った。    
 慶應に流れが行きかねない緊迫した試合展開も「まあ、僕に任せてください」とばかりに竹内が安定した投球。6回に振り逃げから招いたピンチに打率トップを走る山本瑛 (4 South Torr) のセンターオーバーのタイムリーツーベースで失点するもその後も崩れる感じがしない。この日の軸になる球スライダーがコーナーに決まり、勝負どころはストレート。逆球になっても空振りがとれていた。      最終回、2本のヒットでツーアウト一、三塁の完投への「最終関門」。キャッチャーの小藤 (1 日大三)、高橋監督がマウンドに立て続けに行くが竹内は落ち着いたもの。照屋 (3 沖縄尚学) を0-2とあった言う間に追い込んで、1球外す。小藤のサインにうなずいたときには不敵な笑顔(あとで映像で見ました)。ラストボールはズバッとインコースのストレート。最後の早慶戦の先発を被安打5奪三振11の完投勝利でしめくくった。

2016年10月28日金曜日

タクヤ涙

【No.99 2016/10/22 立教大 2-3 明治大 神宮球場 2016東京六大学秋季リーグ戦】
【No.100 2016/10/22 東京大 0-8 法政大 神宮球場 2016東京六大学秋季リーグ戦】
【No.101 2016/10/23 明治大 6-2 立教大 神宮球場 2016東京六大学秋季リーグ戦】
今日も神宮。
「タクヤ、泣いてるよ。」
にわかには信じがたく、彼のトレードマークである白いバッティングレガースで“判別”してしまった。
めったに喜怒哀楽を表さない六大学屈指のヒットメーカーが仲間に支えられ涙していた。

立教と明治の1回戦。連勝すれば早慶戦の結果次第で優勝の可能性のある立教。
9回裏ツーアウト、田村 (4 報徳学園) の激走タイムリースリーベースで立教が1点差に迫る。
立教の1番・佐藤拓 (4 浦和学院)  カウント2-2からタイミングを外されながらもミートした打球はレフトへ。前に落ちるかという当たりは無情にもレフトのグローブへ。この瞬間、立教の優勝の可能性が消滅。
最後のバッターになってしまった情けなさ、申し訳なさ、4年間優勝出来なかった悔しさ。2日前の“悲劇への思いもこぼれてしまったのかも知れない。
明治が春秋連覇を決めた翌日の試合。9回ツーアウトから19打席ぶりのヒット(リーグ通算103本)で意地をみせた。
秋のリーグには4年生のさまざまな思いがつまっている。

2016年10月11日火曜日

佐藤拓也通算100安打

【No.95 2016/10/10 東京大 0-6 立教大 神宮球場 2016東京六大学秋季リーグ戦】
【No.96 2016/10/10 慶應義塾大 3-1 法政大 神宮球場 2016東京六大学秋季リーグ戦】
今日も神宮。
立教の佐藤拓 (4 浦和学院) がリーグ通算100本安打を達成(史上32人目)。
第1打席にレフトオーバーのツーベースでリーチをかけて、第3打席。カウント0-1から三木 (4 県多摩) のアウトコースのボールを叩いた打球は風にものってフェンス直撃のツーベース。記録達成を知っているネット裏のファンからは拍手が起こっていた。去年の高山のリーグ新記録のときはバックスクリーンに電光掲示があった。100本安打でも掲示があるといいよなあ。これまでの慣例はともかくとして。
日刊スポーツの記事
http://www.nikkansports.com/baseball/news/1722526.html
入学前のオープン戦で10歳近い社会人の投手の球を軽々と打ち返す姿を見て、「大学でもけっこうやりそうだなあ。少なくともバッター転向(専念)は成功という結果は残すだろう」とは思っていたが、100本安打を打つような選手になるとは。
レギュラーに定着してからの2年時、3年時には連続して「母の日ホームラン」を打っている。今年は打てなかったなあ、と思っていたらお母様の誕生日にしっかりホームランをプレゼントしたそうだ。
試合も田村 (4 報徳学園) がスピードを抑えたコントロール重視の投球で完封。
第2試合は、出雲駅伝をワンセグでちらちら観ながらの観戦。慶應の加藤拓 (4 慶應)は少し荒れ気味のやんちゃな投球で6四死球で153球の完投。1回戦より3回戦、球数が多くなった終盤の方がいいというタフな投手だ。この日のベストボールは8回に法政の5番中山 (2 履正社)  を三振にとったストレート。アウトコースに低めから浮き上がってくるように見えたボールは150km/h。

2016年10月9日日曜日

東大の勝利に不思議なし

今日も神宮。東京六大学2016秋季リーグ戦は第5週。
第1試合。東大は延長10回4-3で立教に勝利。
先発の三木 (4 県多摩) は90キロ台の変化球で立教の打者のタイミングを狂わせた。うまくタイミングを合わせた田中和 (4 西南学院) 、高橋信 (4 長野日大) はホームランを打った。一方、この試合にリーグ100本安打まであと5本で臨んだヒットメーカー佐藤拓 (4 浦和学院) は第1打席に外から入ってくる97km/hのカーブに見逃し三振。これでタイミングを崩したのか4打数ノーヒット2三振。
東大は三木以降の有坂 (2 城北) 、山本俊 (4 西春) が好投。2人で6回から8回まで立教打線をノーヒットに抑えた。1点リードの9回はエース宮台 (3 湘南) が今季初登板。これで締めくくれば「エース復活」の最高の勝ち方だったのだろうが、宮台の調子は本来のものとは程遠い。最速150km/hのストレートは143km/h止まり。得意の右バッターのクロスファイヤーは決まらず、抜ける球が多い。ツーシームのキレも今一つ。3つの四球などで押し出しで同点に追いつかれてしまう。その中で2つのアウトを三振でとれたのはプラス材料か。打線は14安打。効率のいい攻めが出来ていればもっと楽に勝てたはず。7回の4安打で1点はないよなあ。六大学一のイケメン(と僕が勝手に思っている)下雅意 (4 甲陽学院) が5安打。立教のエース田村からストレート系をつまりながらもセンター前に運んで2安打。第3打席はスライダーをライト前に好打。第4打席は送りバントが内野安打になるラッキー。第5打席こそ空振り三振だったが、第6打席はルーキー田中誠 (1 大阪桐蔭) の初球を叩くレフト前ヒット。このつなぎが桐生 (4 西) の決勝タイムリーを呼び込んだ。
立教はエースの田村が打ち込まれて、抑えの澤田圭  (4 大阪桐蔭) が最終回に勝ち越しを許した。先発に懸念のある2回戦。ストレートで東大に勝ち点を献上しないかと心配。
第2試合。慶應の加藤拓 (4 慶應) の序盤は最近では一番よかった。ノーヒットノーランを達成した東大戦よりは全然いい出来。ストレートが高めに抜けることも少なく、低めに決まるストレートにはドラフト上位的な質も感じられた。5回ツーアウトまでノーヒットに抑えていたが、6回にルーキー郡司 (1 仙台育英) の送球ミスで失点すると17打数ノーヒットの続いていた中山 (2 履正社) にアウトハイのストレートを右中間に運ばれた。1点差を守りたい終盤はストレートのスピードも球威も落ちてきて、フォークなど変化球頼り。最後は柴田 (4 東邦) に127km/hのスライダーをレフトへライナーで打ちかえされサヨナラ負け。
東大は今季初勝利。ここまで勝ちに近い内容の試合もあったので1つくらい勝っているような感覚だった。東大が勝つことに不思議は感覚はないし、高揚感も小さめ。法政の6連敗からの脱出には安堵した。そんな今年の秋季リーグ戦。
第1試合の途中に強い雨で1時間半近い中断。第2試合は6回から点灯。家路についたのは18時過ぎ。

2016年10月3日月曜日

血の明法戦というには

【No.89 2016/10/1 法政大学 2-10 明治大  神宮球場 (2016東京六大学秋季リーグ戦)】
【No.90 2016/10/1 東京大 2-4 早稲田大学 神宮球場 (2016東京六大学秋季リーグ戦)】
【No.91 2016/10/2 早稲田大学 4-0 東京大 神宮球場 (2016東京六大学秋季リーグ戦)】
【No.92 2016/10/2 明治大 8-4 法政大学 神宮球場 (2016東京六大学秋季リーグ戦)】
かつては激しい優勝争いしていたなどから“血の明法戦”と呼ばれたカードも今季は寂しく終わった。
「先発投手が打ち込まれるもあとを任せられる投手がいない」という今季の“パターン”で法政があっさり連敗。東大に勝ち星どころか勝ち点を献上するのも心配される状況。
大学ジャパンの大西千 (2 阪南大) は打撃不振で1番から7番に降格。早稲田戦で7打数7安打の中山 (2 履正社) は15打数ノーヒットでついにスタメン落ち。明るい材料は主砲・金子(4 日大三)の復帰くらいか。
明治は先発の柳((4 横浜) 、星 (4 宇都宮工) の出来もよいとは言えず、それをフォローしなければならない水野、斎藤らのリリーフ陣も不調だが、打力で勝ちぬけた。2回戦では 川口 (4 國學院久我山)が2打席連続ホームラン。
早稲田は1回戦、代打・宮台の同点あるいは逆転かという三塁線の当たりを木田 (4 成章)がつかみとり4-2で勝利。2回戦は東大のルーキー山下大 (1 豊田西)  の立ち上がりの悪さと守備のまずさにも助けられて初回に3点を先制。竹内 (4 松阪) が四死球1の安定感のある投球で3安打完封。
 東大の山下大は2014年夏の愛知県大会で準決勝まで残った実績の持ち主。この日は初登板で固さがあったが、右バッターのインコースのストレートとか外に変化するシュート系のボールはなかなか。
土曜はウインドブレーカーを持ってこなかったことを後悔するような寒さ。一転、日曜日はうちわが恋しくなるような暑さだった。こうして秋が深まっていく。

2016年9月26日月曜日

12四死球では

【No.87 2016/9/25 立教大 5-3 早稲田大学 神宮球場 2016東京六大学秋季リーグ戦】
【No.88 2016/9/25 明治大 5-0 慶應義塾大 神宮球場 2016東京六大学秋季リーグ戦】
第1試合。早稲田は5人の投手で12四死球。毎回のようにランナーが得点圏に進められる。それでも3つの併殺などで耐えしのぎ、1点差で最終回。逃げ切りを託された吉野和 (4 日本文理) はいきなり死球。バントでランナーを進められたあと四球。投げる球の半分以上がボールではピッチングにならない。それでも何とかツーアウトまでこぎつける。ここで黒岩佑 (3 早稲田佐賀) がマウンドへ。最後の1つのアウトをとることを託されるが、飯迫 (2 神戸国際大)  に同点タイムリーを打たれる。続く佐藤竜 (4 國學院久我山)  にストレートのフォアボールで満塁。笠松 (3 大阪桐蔭) に勝ち越しの2点タイムリーを打たれ、続く田中和 (4 西南学院)  にも四球。こんな大事な場面を任せるのは荷が重い。こうなってようやく大竹 (3 済々黌) 。タラレバになるが、勝つなら飯迫のところで大竹。回の頭から大竹でよかったかも知れない。まあ、12四死球で勝つというのも虫が良すぎるが。
気持ちのふさぐようなゲームでの明るい材料が中澤 (4 静岡) 。第1打席でレフトへのツーベースすると第3打席でも鋭い当たりのライト前ヒット。第2打席のライトライナーもいい感じでとらえていた。少しは期待感を持って打席を見てもいいかな?
第2試合は明治が慶應の先発、高橋佑 (1 川越東) を2回をつかまえて4点先取。星 (4 宇都宮工) が東大戦とは別人のような安定した投球で6回を零封。最速152km/h。変に力むこともなく球質もよかったと思う。この秋、一番多かった思うスカウトさんたちはどう評価しただろうか。
2試合とも長かったので家路についたのは5時半近く。日が暮れるのがすっかり早くなったなあ。


黒岩佑(3 早稲田佐賀)

2016年9月18日日曜日

5回目の“目撃”

【No.85 2016/9/17 法政大学 3-9 立教大 (神宮球場 )2016東京六大学秋季リーグ戦】
【No.86 2016/9/17 東京大 0-8 慶應義塾大 (神宮球場) 2016東京六大学秋季リーグ戦】
これまで4回のノーヒットノーラン(1回はパーフェクトゲーム)を球場で“目撃”している。

2004年 東京六大学春季リーグ戦 日野泰彰(立教大) 対早稲田大(7-0)
2010年 東京六大学春季リーグ戦 竹内大助(慶應義塾大)対東京大(7-0)
2012年 明治神宮大会 多和田真三郎(富士大)対国際武道大(3-0)
2013年 東京六大学春季リーグ戦 高梨雄平(早稲田大)対東京大(3-0) <完全試合>

大記録を予感させないような試合が多かった気がする。むしろ投手が完璧に近い出来を見せているときに限って、あっけなく1本なんて試合を何回見たことか。
慶應の先発、加藤拓也(4 慶應義塾)も球筋が不安定はいつもことながら、球速も150km/hを超えるボールは1球もなかった(149km/hがmax)。変化球が抜群によかったわけでもない。
「あんまり良くないですよねえ」
「でも6回までノーヒットノーランなんだよね」
とHさんに言われて初めて気づいたくらい。
某スカウトは「こんな出来で記録を作られてもねえ」と苦笑い。
記録よりも気になっていたのがストライクゾーン。
「えっそこ(ストライク)とっちゃう」とつぶやくこともしばし。
僕の目には高めがボール1つ以上広く見えた。
広いゾーンを意識するのでバッターも早いカウントから打っていく。
このストライクゾーンも少なからず大記録に影響したと思う。
大記録の陰に隠れてしまったが、東大の投手は3人のリレーで四死球ゼロである。
試合時間は3時間を超えることも珍しくなう東大戦では珍しい2時間切りの1時間52分。
記録達成のときには記録員のジャッジに注目が集まることがあるが、この試合に関してはそういうシーンも皆無。それが余計にあっさり達成させたように感じさせた。
慶應の岩見 (3 比叡山) が左中間に大ホームラン。通算7号はレフト、センターが早々と追うことをあきらめてしまう完璧な当たり。法政の中山 (2 履正社) が第1試合でさえない内容ノーヒットの中、右のスラッガーの存在感を示した。
第1試合。「わかっちゃいるけど、“代え”られない!」法政は、今日もひっぱるだけひっぱった先発が終盤に打ちこまれ、ハイ それまでョ~。
立教の佐藤拓也(4 浦和学院)はラッキーな三塁打を含めて2安打を記録し、通算89安打。100安打まであと11本。


2016年9月12日月曜日

もやもやな早法戦 明治はあわや再び

【NO.82 2016/9/10 早稲田大学 5-6 法政大学 神宮球場 2016東京六大学秋季リーグ戦】
【NO.83 2016/9/11 法政大学 7-8 早稲田大学 神宮球場 2016東京六大学秋季リーグ戦】
【NO.84 2016/9/11 明治大 7-4 東京大 神宮球場 2016東京六大学秋季リーグ戦】
10日の東京の最高気温は30.8℃。夏の強烈な余韻が残る中、東京六大学の秋季リーグ戦が開幕。
早法戦の2試合はスコアだけだと接戦、熱戦を思わせるが、内容は寂しいもの。
先発投手が早々とKO状態になるもあとを任せられる投手がおらず、四球やら守備のミスやらで試合がごちゃごちゃになって、最終的に1点リードしていたチームが勝ったというのが実態。
「5位争い」「東大に負ける」などと開幕早々にも関わらずネガティブな発言がネット裏で聞こえたのも致し方ない。
そんな中で早稲田は石井一成主将が2戦連続のホームラン。2回戦は決勝ホームラン。奮闘する主将に続けと、三倉進(3 東邦)が2回戦では守備で超ファインプレーと2安打、4番・木田大貴(4 成章)は3安打、ルーキー小藤 翼(日大三)も2安打。 
法政は右のスラッガー中山 翔太(2 履正社)が7打数7安打2本塁打7打点。インコースをホームランするだけでなく、外の変化球にもうまく対応している。今は“ゾーン”の状態の中で打ちまくっていると思うが、凡退が少し続いたときにどうなるだろうか。各大学も対策を考えてくる中、真の実力が問われる。
明治と東大の2回戦。明治の先発は、東大が勝った春の2回戦で先発した星 知弥(4 宇都宮工)。
初回は“名誉挽回”の強い気持ちを示すように150キロオーバー連発。しかし、4回に東大のキャプテン山本克志 (4 聖光学院)にホームランを浴びてぐらつく。5回は4本のヒット打たれ、エラーも絡んで4-3と逆転を許してしまう。 
東大はルーキーの小林大雅(横浜翠嵐)がリーグ戦初出場初先発。166cm 63kgの小柄な左腕。ストレートは130キロ前半、スライダーやチェンジアップも平凡。2回に3本の長短打で3点とられたときは次の打席で交代かなと見ていたが、その後は再三ピンチを招くも得点は許さない。同点に8回ワンアウトまで162球を投げ切った。降板直後、明治の5番、牛島 将太(4  門司学園)が3ラン。ポール際の微妙な打球。浜田監督も猛抗議も実らず。 

 

2016年8月20日土曜日

スリーボールになると

 
【NO.80 2016/8/16 北海道日本ハムファイターズ  3-2 オリックス・バファローズ  (札幌ドーム )NPBパ・リーグ公式戦】
北海道の家族旅行。僕の唯一のリクエストが「札幌ドームでの野球観戦」。
遠目に見ると宇宙船のように見える札幌ドーム。今年の主催試合のテーマは「FIGHTERS GALAXY BASEBALL(ファイターズ ギャラクシー ベースボール)」なんだとか。
ポスターやファイターズガールと呼ばれるチアガールのダンスなども宇宙を意識したもの。
席はバックネット裏になるといつもの「野球観察」になってしまうので、カミさんに任せて内野の指定席を予約してもらった。のんびり「野球観戦」するつもりだったのだが・・・。その席というのが一塁ベンチのちょっと上。右バッターの鋭いファウルが飛んでくる角度ではないか。ネットがないのは見やすくでいいがかなり危険。ということで、まずは某スカウトさん直伝のファウルボールへの対応法を家族にレクチャーすることに。「ボールから目を切っちゃダメだよ」。家族の防御にも注意しなければならないというのんびりしてもいられない気分でプレーボール。
試合を観ていて、おやっと思ったのがスリーボールでの拍手。ファイターズの投手のカウントがスリーボールになると、場内から拍手が起こるのだ。球場やチームによってはヤジが飛んでもおかしくない状況でファイターズファンは拍手で後押しするのだ。賛否はあろうが、なんだか温かい感じで好感を持った。
“いけいけ~!おせおせ~! お前が決めてくれ”
札幌ドーム限定チャンステーマ 「ジンギスカン」もかなり盛り上がる。
試合は熱い応援に後押しされたファイターズが逆転勝ち。



2016年8月15日月曜日

ヤマカツ逆転2ラン

【No.79 2016/8/15 東京大学 2-1 京都大学( 東大球場 双青戦)】
73回目の東京大学-京都大学の定期戦。東大のスクールカラーが「淡青」、京大のスクールカラーが「濃青」であることから2013年度から両大学のスポーツの対校戦を「双青戦(そうせいせん)」と呼ばれるようになっている。そういうことでは4回目の野球双青戦とも言える。
東京と京都で隔年で試合を行われ、東京の会場で行われる年はしっかり僕の野球暦の重要なイベントになっている。

2年前はその年のドラフトでロッテから2位に指名される京大のエース田中 英祐が注目されていて、東大球場には複数のメディアが押しかけていた。今年はそういう人たちの姿はなかったが、両校の関係者などで600人収容の観客席はほぼ埋まっていた。
関西学生野球連盟の春季リーグ戦で0勝10敗に終わった京大に対し、最下位ながらも東大は3勝。エースの宮台が投げなくても他の投手や野手が力をつけている東大が優位だろうと思っていた。
3回に京大がスクイズで先制。東大は京大の先発、サイドスローの樋川(水戸第一 2)に5回ツーアウトまでノーヒットに抑えられる。6回、ヤマカツこと山本克(4 聖光学院)のセンターオーバーの2ランで逆転。印象としては辛勝。
5回表、東大のショート山田 大成(3 桐朋)の素晴らしい守備があった。ワンアウトランナー二塁。三遊間の深い位置へのゴロをスライディングしながらバックハンドでキャッチ。ファーストへ送球しても間に合わないと判断してジャンピングスローでセカンドへ送球し、セカンドランナーがタッチアウト。セカンドランナーは送球を見ながらサードを狙うという範囲の離塁だったと思うが、山田の一瞬の判断力と素早く、正確な送球が勝った。


2016年8月8日月曜日

よりによって

【NO.78 2016/8/7 JX-ENEOS 9-0 大阪商業大 <エネオス等々力グランド> オープン戦】
甲子園の開会式を観ることはあきらめて朝から電車移動。
暑さもまだ控えめの10時プレーボールのエネオスのオープン戦。
8時30分にグランドに着いたときには観客ゼロ。時間つぶしに等々力緑地を散歩。
川崎フロンターレのホームでもある等々力陸上競技場からは何かイベントが行われているのだろうか子供たちの声。池には太公望がいっぱい。ここは管理釣り場でヘラブナなどが釣れるらしい。
9時くらいにスタンドに帰っても観客は1人。野球ファンの皆さんは甲子園を観ているのかなあ?
だんだん暑さを感じるようになってきたので団扇をパタパタ。よりによってこの団扇がエネオスの都市対抗の出場を阻んだ「三菱日立パワーシステムズ」のもの。なんか嫌味っぽいが、暑さをしのぎの背に腹。案の定、某君に指摘されてしまう(笑)。
試合は、エネオスが3番・糸原健斗(明治大)の2ランで先制。2回にも4本の長短打で4点を追加。
大商大のエース、榎本和輝(京都翔英 3)を早々とKOする。榎本はフォームもいいし、ボールもそこそこ速く(142km/h)、変化球にもいいものがある。ただ、そこそこで何となくよさそうな投球では大学生は抑えられても社会人のトップクラスのチームは抑えられない。
エネオスの先発、船本一樹(法政大)が7イニング被安打4で無失点。三振も9個奪った。
2番手の江口昌太(鹿児島工)は今日も外中心で最速142km/hのおとなしい投球。3番手のサイドハンド鈴木健矢(木更津総合)の方がドラフト的には面白いのでは。
試合終了は11時57分。出雲高校の試合をテレビで観るためにキロ9分の早足で帰宅。

 


2016年8月7日日曜日

明日から夏の甲子園が始まるが

【No.77 2016/8/6 (土) 早稲田大学 1-2 駒澤大学  安部球場  オープン戦】
明日から夏の甲子園が始まるが、個人的には大学野球の夏のオープン戦の時期である。
六大学を中心に大学のグランドを周る。
今日は、安部球場で早稲田と駒澤のオープン戦。
まだオープン戦も序盤であるが、春季リーグで低迷した両校(早稲田は5位、駒澤は東都2部で3位)はベストメンバーで試合に臨んだ。
早稲田は春とは大幅にスタメン、打順を変更。試行錯誤の中で最終的にどういう形に固まるのか。
決して、厚いとは言えない選手層。新戦力の台頭が期待される。
この日は5番DHの尾崎資樹(韮山 3)が2安打と抜擢に応え、期待のルーキー、小藤翼(日大三 1)もスタメンでマスクをかぶり主力投手を落ち着いてリードした。
駒澤では1番センター諸積怜(流通経済大柏 2)が印象に残った。ロッテで活躍した諸積 兼司氏の息子で父譲りの俊足でバットコントロールもうまい。第1打席でセンター前ヒットで出塁。キャッチャーの小藤が投げるのをあきらめる完璧な二盗。第2打席のセフティバントは3秒78、第3打席のセカンドゴロは3秒81。
個人的に一番テンションが上がったのは駒澤のルーキー上野翔太郎(中京大中京)の登板。侍ジャパンU-18代表でも活躍した右腕は7回に2番手としてマウンドに上がり1イニングを被安打0、1四球。整ったきれいなフォームで低めに丁寧に投げていた。ストレートの最速は135km/h。

2016年7月31日日曜日

2016年 第87回都市対抗野球 まとめ

今年の都市対抗は12日の大会期間中7日で10試合を観戦。
高校野球観戦で熱を帯びた体で涼をとりに、仕事帰りに晩御飯を食べながら。
日の出前に20km走ってから、灼熱の高校野球からの東京ドームは正直しんどいと感じたこともあった。無理してでも魅力が「大人の甲子園」にはあるのだな。
今大会は佐竹功年が主将、小島宏輝が副主将。細山田武史がNPBから“復帰”したトヨタ自動車の観戦の軸とした。
トヨタの試合は5試合中3試合を観て、3試合とも佐竹が先発して完投した。自分が入社を誘った細山田のリードもあって、佐竹のピッチングはますます円熟味をましたように。あんなに両サイドにきっちり決められ、緩急をつけられたら打てないでしょ。文句なしの橋戸賞。
細山田は延長となったNTT東日本戦でサヨナラヒット。絶妙なバントや大事な場面での盗塁阻止などリード以外の部分での活躍が光った。
源田壮亮の超俊足も印象深い。
田嶋 大樹 ( JR東日本 ) の投球はもう少し見たかった。来年のドラフトの目玉は間違いなしのスケール感。柔らかいフォームから投げるストレートにはエレガントさのようなものすら感じた。
山岡 泰輔(東京ガス)はあまり調子はよくないように見えたが、それでも試合をまとめるうまさのようなものを感じた。
【No.59 2016/7/16 トヨタ自動車(豊田市) 2-0 七十七銀行(仙台市)】
【No.60 2016/7/16 東京ガス(東京都) 2-0 NTT西日本(大阪市)】
【NO.61 2016/7/17 JFE西日本(福山市・倉敷市) 1-10 Honda鈴鹿(鈴鹿市)】
【No.62 2016/7/17 JR東日本(東京都) 0-2× 王子(春日井市) 】
【No.65 2016/7/21 西濃運輸(大垣市) 2-1(延長タイブレーク)" きらやか銀行(山形市)】
【No.66 2016/7/22 日立製作所(日立市) 8-3 日本通運(さいたま市) 】
【No.67 2016/7/23 三菱重工名古屋(名古屋市) 3-4 東京ガス(東京都)】
【No.68 2016/7/23 NTT東日本(東京都) 1-2 トヨタ自動車(豊田市)】
【No.73 2016/7/25 日立製作所(日立市) 2-0 東京ガス(東京都)】
【No.74 2016/7/26 トヨタ自動車(豊田市) 4-0 日立製作所(日立市)】

2016年7月25日月曜日

3球の天国と地獄

【NO.69 2016/7/24 関東一 3×-2 修徳 神宮球場 第98回全国高等学校野球選手権大会】
NO.70 2016/7/24 二松学舎大付 4-2 江戸川 神宮球場 第98回全国高等学校野球選手権大会】
【NO.71 2016/7/24 東亜学園 15-8 日大豊山 神宮球場 第98回全国高等学校野球選手権大会】
【NO.72 2016/7/24 城東 7-6 帝京 神宮球場 第98回全国高等学校野球選手権大会】
レフトへの大飛球がスタンドに飛び込むのを見送ったあと、隣の友達に「サヨナラでいいんだよね」と確認した。あっと言う間の出来事に頭がついていかなかったのだ。歓喜や落胆より驚きが優り、神宮の時間が一瞬止まった。 修徳が2-1のリードで迎えた9回裏。3回から修徳のエース、飯田 奎太は関東一打線をノーヒットに抑えていた。先頭の3番・米田 克也が0-1から左中間にホームラン。土壇場の同点劇に球場はざわつく。そのざわめきがおさまらない中、4番・佐藤佑が初球をとらえる。打った瞬間わかるホームラン。 この回、たった3球で修徳は地獄を見て、関東一は天国を味わった。天国と地獄のはざまでは時間が止まるようだ。
第2試合。注目は二松学舎大附のエース、大江 竜聖。最速148km/hを記録し、12奪三振。 球場で見るのは昨年秋の早実戦以来。前の壁を意識が強すぎることと頭から突っ込むようなフィニッシュの形が気になった。全体的に柔らかさが損なわれたという印象。左バッターのインコースに投げない(投げられない)のと球数(130球以上)が多いのも相変わらず。あと2試合、スタミナは大丈夫だろうか。
第4試合。帝京と空中戦で打ちあえる都立が出てくる時代になったんだなあ。


2016年7月24日日曜日

決めたぜ 細山田

 
【NO.68 2016/7/23 NTT東日本(東京都) 1-2 トヨタ自動車(豊田市) 東京ドーム 第87回都市対抗野球 】
抜けろ! 抜けた! サヨナラの瞬間、思わず立ち上がってしまった。
延長10回裏 ツーアウトでランナーが二塁に進むとNTT東日本バッテリーは7番の多木を歩かせて8番の細山田との勝負を選んだ。インコースを攻められてカウント1-2。「細山田、厳しいね」と言う隣の友達に「でも、去年ここの(東京ドーム)巨人戦でレフトオーバーの...」と言おうとした直後の歓喜。
10三振完投勝利の佐竹と一緒にヒーローインタビューをうけた細山田。
「僕の配球ミスで追いつかれたんで」と9回ツーアウトから完封目前で同点打を許した先輩をフォローし、「レフトスタンドを狙っていたんですが、僕のパワーが...」とスタンドをなごませた。
ひさびさの細山田節。やっぱり細山田は明るくていいよなあ。

2016年7月22日金曜日

超満員の八王子 清宮53号 

【No.63 2016/7/18  早実 4-0 国士舘 (ダイワハウススタジアム八王子) 第98回全国高等学校野球選手権大会】
試合開始3時間前の7時にダイワハウススタジアム八王到着したときにはすでに大行列。試合が始まる頃には外野の芝生席にも立ち見客が出て、結局約1万1000人が集まったらしい。清宮人気恐るべし。
その清宮の全打席をメモっておく。
(第1打席)死球
1回裏、ツーアウトランナーなし。初球のストレートで死球。もう何回も見た光景。「ぶつけてもいいからインコースを見せておけ」という指示で投げているんだろうが、「ぶつけなくてもいいインコース」を投げられないと清宮は抑えられないと思う。
(第2打席)ライトオーバーホームラン
3回裏、ワンアウトランナー二塁。一塁が空いているので勝負しないかと思った。
初球、キャッチャーが腰を浮かせてインハイのボール球。勝負するのか?
2球目。外のボールゾーンにキャッチャーが構えて、明らかなボール。やっぱり勝負しないのか?
3球目。甘く入った変化球を見逃がさずライトへホームラン。
(第3打席)センターフライ
5回裏、投手は左の変則投手に代わっている。ワンアウト1塁。初球、2球目とキャッチャーは体ごと大きく外に出て今度こそ歩かせるか。3球目。間違って、少し中に入ってしまった。ボール気味の球を強引に打った打球はフェンス手前まで飛ぶセンターフライ
(第4打席)敬遠の四球
7回裏、4-0とリードを広げワンアウト一、二塁と追加点のチャンス。さすがに懲りたのか、これまでの3打席とは明らかに違うバットの絶対届かないコースに投げての敬遠の四球。

*21日木曜日に行われるはずだった早実の準々決勝は中止。翌22日も早々と中止として、23日の土曜日に行うことを決めた。




2016年7月19日火曜日


西東京の強豪校の一つ創価を明大明治が倒した。
前日に1回で雨天コールドになったこの試合。明大明治は先発投手を清水から古谷に変更。
創価打線は毎回得点圏にランナーを進めるが1本が出ない。打順が3巡目に入る5回に明大明治は1年生ながらクローザー的に使われている柳澤をリリーフに。柳澤の130km/h前半のストレートは古谷のゆるいカーブを見たあとだけに速く見えたはず。5回までノーヒットに抑えられていた明大明治は6回にエラーと初安打と死球で満塁のチャンス。4番・上沼はファーストゴロの間に1点。
早大学院は3連戦を見込んでか背番号20の1年生、若汐が先発。コントロールに苦しんでいたが、ストレートは力強い。エースの柴田、140km/hの嵯峨もいて、投手陣の層は厚い。向こうのWの投手陣を貸してあげればと思ってしまう。
<第97回全国高等学校野球選手権大会西東京大会>


【NO.54 7/18(土) 明治 1 - 0 創価 市営立川】
【NO.55 7/18(土) 早大学院 12 - 0 調布南 市営立川】

2016年7月17日日曜日

お帰り細山田

【No.59 2016/7/16  トヨタ自動車(豊田市) 2-0 七十七銀行(仙台市)  東京ドーム 第87回都市対抗野球 】
【No.60 2016/7/16  東京ガス(東京都) 2-0 NTT西日本(大阪市) 東京ドーム 第87回都市対抗野球 】
バッターが打ったあとのバッターボックスを脚で丁寧にならす。ストライクをとって欲しい際どいコースで嫌味にならない程度にミットをとめる。何気ないしぐさが細山田なんだよなあ。細山田のプレーを球場で見るのはひさしぶり。トヨタ自動車に加入が決まった日から「都市対抗の細山田」を楽しみにしてきた。
8番・キャッチャーで先発の細山田はワセダの先輩佐竹功年との息の合ったバッテリー。打者に考える時間を与えない、ノーサインで投げているようなテンポのいい投球で打ち取っていく。肩は「プロでは少し厳しいかな?」のレベルになっているが、それでも2回には盗塁を刺してピンチの芽をつんだ。打つ方は2三振も“十八番”の送りバントは一発で決めた。打球の転がしどころも強さも絶妙。ドームはボールが見にくいので、バントが上手いはずの選手たちも失敗していたのに。
トヨタというチーム自体も気のせいかより明るいチームになったような気がする。これも細山田効果かな。

プロ野球の世界ではうまくいかなかったことも多かっただろうが、またアマチュア野球の世界に戻ってきてくれたことをうれしく思う。


今日だけは紫紺

【NO.58 2016/7/16 明大明治 2-6 早稲田実 ダイワハウススタジアム八王子 第98回全国高等学校野球選手権大会】
早稲田大学のOBの端くれとしては本来なら系属の早稲田実を応援するのが筋なんだろうが、“盟友”寺土君が監督の明大明治の応援。今日だけは臙脂の人でなく、紫紺の人である。とは言え、スタンドには早実OBの知人もいるので明大明治への応援、拍手は心の中で。
2回、明大明治がセフティスクイズとラッキーなツーベースで先制。
「まずい。早実が本気になっちゃうよ」
早実は先発投手の1年生、赤嶺大哉(那覇市上山中)に代えてエース吉村勇(3年 早稲田実中)を投入。吉村は6回までヒット1本と明大明治を抑え込む。
4回、早実は1番・金子銀佑(足立十一中)のライトへのタイムリーツーベースで同点。6回、4本の長短打で4点とって勝負あり。
金子は4安打3打点で守備でもいいプレーを見せた。脚を使ったいわゆる攻める守備。センター前に抜けるかという打球をうまくさばいて回転しながらの一塁送球。ただ、余裕のあるところでのノーステップスローはいらなかったね。ああいうナルシスティックなプレーはピッチャーはいやがるものだ。
この日のダイワハウス八王子市民につめかけた多くの観客は清宮、野村のアベックホームランでコールドゲームを期待あるいは予想したのかも知れない。しかし、清宮、野村はツーベースこそあったもののホームランはなし。試合も9回までしっかり行われた。
明大明治は大健闘だった。寺土監督が部員たちと作る新チームに期待したい。
一声かけて帰りたかったが、都市対抗の第2試合に間に合うようにすぐに移動。

2016年7月11日月曜日

高校野球の夏はご近所から

【No.52 2016/7/3(日) 田無工 9-2 調布南(7回コールド ) 市営立川 第98回全国高等学校野球選手権大会】
【No.53 2016/7/3 (日)佼成学園 9-1立川国際 ( 7回コールド )市営立川 第98回全国高等学校野球選手権大会】
【No.54 2016/7/10(日) 拓大一 14-2 芦花 市営立川 第98回全国高等学校野球選手権大会】
【No.55 2016/7/10(日) 明学大東村山 10-1 五日市・大東学園・瑞穂農芸 市営立川 第98回全国高等学校野球選手権大会 】
【No.56 2016/7/10 (日)早大学院 8-0 多摩 市営立川(8回コールド ) 第98回全国高等学校野球選手権大会 】
夏の高校野球は応援の音が聞こえてくるくらいの近さの市営立川球場から。
7/3の試合は熱けいれんで脚をつる選手が続出。前日、気温30℃を超える真夏日だったが、この日はさらに暑さが1ランク上がり35℃を超える猛暑日(酷暑日)。鍛えている野球部員の体にも堪えたのだろう。
7/10は前日の中止によるスケジュール2試合が3試合に。早大学院、柴田 迅を思いがけず観ることが出来た。試合の展開から登板はないかと思っていたのでラッキーだった。8回の1イニングを三者凡退。今や147キロ右腕として東京を代表する投手。この試合もストレートは140キロ以上出ていた。随分、力んで投げるようになってしまったなあ。スライダー、ストレートを芯でしっかり打たれていた(いずれもショートライナー)。1年の時は130キロ台でももっと回転のいい球を投げてたんだけどなあ。
第1試合は3校による連合チーム。第3試合の多摩には派遣協力校として日野高校から派遣された4人の部員が登録されていた。今後はこういう形での出場が増えていくんだろうなあ。

2016年7月3日日曜日

真夏の1.5軍戦

 【No.51 慶應義塾大 6-2 桐蔭横浜大 下田グランド】
A軍戦ということだったが、桐蔭横浜大はドラフト候補のエース高橋 拓巳など主力が遠征に帯同しないB戦メンバー。慶應も野手は主力も投手陣はリーグ戦でなじみのないフレッシュなメンバー。夏のキャンプ前の試行錯誤の1.5軍戦。
慶應の先発、岡野新二(1年 小倉)は投球の6割近くしめるチェンジアップが特徴の左腕。5回を1失点。オールドファンにはうれしい小倉高校出身。
桐蔭横浜大の先発は登坂 航大(市立川越)もルーキー。140キロ前後のストレートと120キロ台中盤のスライダー。初回、甘く入ったスライダーを痛打され先制された。
細かくつなぐ桐蔭横浜大の投手陣を慶應は4番・岩見(3年 比叡山)のバックスクリーン弾などで中盤に攻略し、6-2で勝利。
沓掛(4年 慶應)を1番に据えるユニークなオーダー。DHで名幸ジュニアも出場していた。
桐蔭横浜大の投手、高清水君の名前、“球動”に反応してしまった。水島新司先生のコミック由来ではないよなあ。
気温30℃。帰り道の 松の川緑道の木陰がうれしかった。




2016年6月27日月曜日

梅雨の晴れ間 東大球場に

 
【No.50 東京大 4-2 神奈川大 東大球場】
梅雨の晴れ間、東大球場へ。
本来はこの日は国公立戦の決勝の日。しかしながら東大はまさかの初戦負け。
国公立戦とは東京の国公立大学によるトーナメント大会。東大はリーグ戦の主力を外したチーム編成で臨むがこのカテゴリーでは力が抜けているのだが。
いわゆるB戦。ともに1、2年生中心のチーム。東大としては国公立戦の決勝で対戦するチームより強いであろう神奈川大のBチームと対戦出来たのはむしろ良かったかも知れない。
東大は初回に3番・磯野(2年 時習館)のタイムリーツーベースなどで3点先制。
竹中(2年 修道)-有坂(2年 城北)のリレーで8回まで神奈川大を1安打無失点に抑えた。
竹中は低めにストレートがびしびし決まり、空振りをとっていた。4イニングで5奪三振で被安打1。四球も一つと安定していた。春は3試合で防御率13.50という成績だったが、今日のようなと投球が出来れば秋のリーグ戦では大事な場面で使われることも多くなるかも知れない。
野手では4番ライトの齋藤柊(2年 桐朋)の攻守に力強いプレーが印象に残った。
この試合で今季の観戦はちょうど50試合。

2016年6月18日土曜日

予想も出来なかった大学選手権

ユーロにプライベートな時間のかなりを費やしているので、大学選手権を振り返るのが遅くなってしまった。
今年は準々決勝から決勝までの5試合を観戦。
大会前に勝手に頭の中でやぐらに線を引いた組み合わせでは、
第1試合 亜細亜大-桐蔭横浜大
第2試合 明治大-?
第3試合 立命館大-?
第4試合 上武大-日本体育大
のはずだった。東都、六大学、首都の代表が地方リーグの挑戦を受けるという構図。
しかしながら予想とまったく違う組み合わせとなり、正直、積極的に観たい気持ちではなかった。
まあ、これはこれで新鮮、と思うことにして神宮へ。
第1試合。亜細亜が完全な力負けで完敗。中京学院大はドラフト上位候補の吉川 尚輝以外にも好選手がいますね。
第2試合。うーん、明治はこのチームに負けたのかあ.....。
第3試合。東海大北海道のバッターが四球のときに打席の両手で丁寧にバットを置いていく姿が印象に残った。バットを投げるとか叩きつける選手も珍しくないのでとても好感を持った。中央学院大の小柄な二遊間(成田-竹村)がファインプレーを連発。
第4試合。好選手のそろう上武が初回に3点をとって、圧倒すると思ったが、2回以降打線が沈黙。9回に逆転を許してしまう。これで目が覚めたのか3連打でサヨナラ。

準決勝。
第1試合。準々決勝のタイブレークでのサヨナラホームランの勢いの残る奈良学園大が試合の主導権を握るが、エース栁川を投入して反撃を絶った中京学院大が逆転勝ち。注目の吉川は奈良学園のエース鈴木の力強い外のストレートに苦しんだ。初回にタイムリーツーベースを打ったストレートは苦し紛れのインコース。他の打席は振り負けている場面が少なくなかった。トップがきちんと作れないのでスイングを弱くなることもある。
第2試合。エース寺沢星耶が初回から打ちこまれた上武大がいいところなく敗退。またも決勝に進出出来なかったが、ベスト4は3季連続。力があるということだ。
決勝。 中京学院大が連投の田辺を中盤までつかまえて5-1とセフティリード。栁川が打たれながらも要所を粘って完投。5-2で中京学院大が初優勝。

【No.43 2016/6/9 中京学院大 5-1 亜細亜大 神宮球場 第65回全日本大学野球選手権記念大会・準々決勝】
【No.44 2016/6/9 奈良学園大 7×-3 関西国際大 神宮球場 第65回全日本大学野球選手権記念大会・準々決勝】
【No.45 2016/6/9 中央学院大 4-1 東海大北海道  神宮球場 第65回全日本大学野球選手権記念大会・準々決勝】
【No.46 2016/6/9 上武大 5×-4 東北福祉大 神宮球場 第65回全日本大学野球選手権記念大会・準々決勝】
【No.47 2016/6/11 中京学院大 5-4 奈良学園大 神宮球場 第65回全日本大学野球選手権記念大会・準決勝】
【No.48 2016/6/11 中央学院大 5-1 上武大 神宮球場 第65回全日本大学野球選手権記念大会・準決勝】
【No.49 2016/6/12 中京学院大 5-2 中央学院大 神宮球場 第65回全日本大学野球選手権記念大会・決勝】

2016年6月3日金曜日

ルーズベルト・ゲームのような

【NO.42  2016/6/5 鷺宮製作所 0-2 東京ガス 第87回 都市対抗 東京2次予選 第三代表決定戦】
都市対抗の東京の第三代表決定戦は、小説、ドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」のモデルにもなった鷺宮製作所と東京ガスの対戦。
第三代表決定戦という都市対抗出場最後のイスを争うというのは、小説、ドラマの予選敗者復活戦決勝戦と同じシチュエーション。
東都の一部二部の入れ替え戦などと同じように、勝敗や順位以外のものがかかっている試合の独特の緊張感が好きだ、と言ったら残酷か。
初回、東京ガスが4番・黒田雅和(広陵-関西大)のタイムリーで先制。
鷺宮は、東京ガスの先発ドラフト上位候補、山岡泰輔(瀬戸内)から毎回ヒットを打つが得点出来ない。ピンチには外野手のファインプレーも出て追加点を許さない。
7回、好投の西村純季(遠軽-桐蔭横浜大学)が山内佑規(桐蔭学園-明治大)に初球をレフトスタンドへ運ばれる。前の回に二、三塁のピンチを連続三振で切り抜けたところで力を使いきってしまったかなあ。
主将の援護の一発に力を得た山岡は8、9回は少しギアを上げて完封。本調子ではなかったが、ここ一番のスライダーはバントも難しいくらいのキレだった。

2016年5月30日月曜日

ワセダ5位確定

【NO.41  2016/5/28 慶應義塾大 9-4 早稲田大 2016東京六大学春季リーグ戦】
試合前の殿堂入り表彰のスピーチで山中正竹さんがおっしゃった。
「世界に誇る早慶戦」。
野球の早慶戦は、ケンブリッジ大対オクスフォード大のボートレース、ハーバード大学対エール大学のフットボールと並んで世界三大学生競技のひとつ。
その言葉にふさわしい試合をしなければならない。
優勝の絡まない早慶戦を「消化試合」と揶揄する方もいるが、むしろ対抗戦の色合いが強くなり、これはこれで悪くない。
試合は大竹 (3 済々黌) が2回、3回に被弾し0-5と一方的な展開になるかと思われた。
しかし、6回に2点を返す。7回は2-7とリードされながらも主将・石井 (4 作新学院) のホームランなどで4-7と食い下がる。8回に慶應にこの試合3本目のホームランなどで9-4とされ、力尽きた。
10季ぶりの5位。
「丘の上には空が青いよ ぎんなんに鳥は歌うよ歌うよ」。
慶應の早慶戦勝利を告げる「丘の上」をじっくり最後まで聞いてしまった。



2016年5月24日火曜日

明治、完全優勝 東大は3勝でフィニッシュ

【NO.37  2016/5/21 立教大 1-3 明治大 2016東京六大学春季リーグ戦】
【NO.38  2016/5/21 法政大 1-4 東京大 2016東京六大学春季リーグ戦】
【NO.39  2016/5/23 立教大 1-3 明治大 2016東京六大学春季リーグ戦】
【NO.40  2016/5/23 法政大 11-4 東京大 2016東京六大学春季リーグ戦】
勝ち点をとった方が優勝という明治-立教。
土曜日に明治が勝ったときは、「連勝で決まるかな」と正直思った。立教がまさかの田村の2戦連続先発で2回戦をとる。そして勝った方が優勝というトーナメント決勝のような3回戦。
立教はまさかまさかの田村の3戦連続先発。1回戦が81球、2回戦が61球と球数少なかったこともあるのだろう。田村は1回戦よりも体がきれているのではと思わせるような快調なピッチング。中1日の明治の柳の方が体が重そうで、ストレートが抜けたりして出来がよくない。
立教は毎回ヒットを打ちながらなかなか得点出来ない。6回に大きなチャンス。ヒットと2つのフォアボールでワンアウト満塁。しかし、5番・田中和 (4 西南学院) がファーストゴロでゲッツー。
このピンチをしのいだ明治はその裏、2番・逢澤 (2 関西) のタイムリーツーベースで先制する。
7回表、立教が好投の田村がセンター前のタイムリーヒットですぐ追いつく。
その裏、田村はツーアウトから死球を与え、ヒットで一、二塁。明治は柳に代打・宮崎 (3 履正社) 。宮崎はバットを折りながらもセンター前に落とすタイムリー。さらに三塁線の内野安打で3-1と突き放す。このリードを星 (4 宇都宮工) がパーフェクトリリーフで守りきった。
東大この春最後の試合は4-11。リードされながら6回には2点差まで迫るなど打線に力がついた。
シーズン3勝のfinishはあっぱれ。秋は勝ち点を期待する。


2016年5月16日月曜日

牛島のサヨナラに

 【NO.35 2016/5/14 早稲田大 2-3× 明治大 神宮球場 2016東京六大学春季リーグ戦】
【NO.36 2016/5/14 慶應義塾大 0-1 立教大 神宮球場 2016東京六大学春季リーグ戦】
東京六大学第6週。
打球の行方は追わなかった。スコアに得点の示す「○」を記入し、赤のダイヤモンドで囲む。球数を数えてたし算。意識的に淡々と。勝つかもという瞬間があったので、残念な思いが強かったのだと思う。
明治の柳 (4 横浜) に完璧に抑えられる。5回までパーフェクト。三振も6連続を含む10。「何か記録を作られたら嫌だなあ」と不安がよぎる。その不安を6回の先頭バッター木田 (4 成章) のホームランが一掃。「これでパーフェクトもノーノーも完封もなくなった」。8回、吉見 (3 早稲田実)  のレフトオーバーのタイムリーツーベースで2-1とリード。「ひょっとして勝っちゃう」と思ったのも束の間。その裏、2番手の吉野和 (4 日本文理)  が四球、ヒット、ヒットで追いつかれる。「ここで小島か....」。
第2試合は立教の田村 (4 報徳学園) が慶應を完封。これまで力投型で出たとこ勝負みたいなピッチングをすることが多かったが、変化球の精度が上がって、ぐっと安定感が増した。
<MEMO>
八木 健太郎(早稲田大) 4秒17 サードゴロ
星 知弥 (明治大) 152km/h 八木空振り三振の5球目
逢澤 峻介(明治大) 3秒84 セカンドゴロ
牛島 将太(明治大)1試合2ホームラン(今季4号 通算5号)
田中 和基(立教大) 3秒84 ショートゴロ



吉野和(4 日本文理)

2016年5月9日月曜日

連“球”まとめ

今年の連“球”も東京六大学の合間に埼玉の高校野球、東都、日野高校をチェックするというここ数年定着しているパターン。
【NO.23 2016/4/30 法政大 4-5 早稲田大 神宮球場 2016東京六大学春季リーグ戦】
【NO.24 2016/4/30 東京大 1-6 慶應義塾大 神宮球場 2016東京六大学春季リーグ戦】
【NO.25 2016/5/1 慶應義塾大 9-4 東京大 神宮球場 2016東京六大学春季リーグ戦】
【NO.26 2016/5/1 早稲田大 2-7 法政大 神宮球場 2016東京六大学春季リーグ戦】
【NO.27 2016/5/2 法政大 5-0 早稲田大 神宮球場 2016東京六大学春季リーグ戦】
【NO.28 2016/5/3 浦和学院 6-3 上尾 大宮公園球場 平成28年度 春季高等学校野球埼玉県大会】
【NO.29 2016/5/3 花咲徳栄 3-2 山村学園 大宮公園球場 平成28年度 春季高等学校野球埼玉県大会】
【NO.30 2016/5/4 國學院大 7-3 中央大 神宮球場 平成28年度 東都大学野球春季リーグ戦(1部)】
【NO.31 2016/5/4 日本大 4-10 東洋大 神宮球場 平成28年度 東都大学野球春季リーグ戦(1部)】
【NO.32 2016/5/5 日野 5-3 葛飾野 日野高校グランド 練習試合】
【NO.33 2016/5/7 明治大 3-1 法政大 神宮球場 2016東京六大学春季リーグ戦】
【NO.34 2016/5/7 東京大 4-0 立教大 神宮球場 2016東京六大学春季リーグ戦】
東京六大学第4週。
早稲田が苦しんでいる。去年の春は2ケタ安打試合がどこまで続くのかという強力打線にわくわくすたが、今年の春は2ケタ三振を心配してひやひやする。ここまで7試合で71三振は1試合平均10.14。7試合中4試合が2ケタ三振。三振は投手と打者の力関係をもっとも端的に表すバロメータ。野球はつまるところ、投手と打者の戦い。この部分で負けていては話にならない。明治の柳にいったい何個三振を取られるのだろうか。心配。
春季高等学校野球埼玉県大会。
準決勝。今年も県営大宮で「浦学サンバ」。
古豪復活が期待される上尾が浦学相手に大健闘。最後は守備の乱れで敗れたが、ほぼ互角の勝負。140km/h超のストレートを投げる背番号11、渡部 勝太など浦学にも力負けしない選手が多い。夏も楽しみ。
東都大学野球春季リーグ戦。
中央大の先発は小山台の頃からお気に入りの伊藤 優輔。大学に入ってから見るのは初めて。ストレートは140km/h台がコンスタントに出るようになっているが、コントロールに苦しんで自滅するパターン相変わらず。
國學院大-中央大の9回裏から点灯。日が落ちてから気温も下がって、風も強く寒かった、帰りたかった。試合終了は21時39分。家に着いたら23時を回っていた。
ヒノコウ練習試合。車が使えなかったので自転車きこきこ15分。
相手の葛飾野は春のブロック決勝で1-0で雪谷に勝ったチーム。神戸友彰君というエースで4番という大黒柱がいるんだな。日野打線は神戸君が出てくるまでに10安打4得点。5回途中から登板した神戸君には1安打に抑えこまれ、エラー絡みで何とか1点とった。ネット裏で聞く毎度おなじみの土手ファンの方々の思い入れたっぷりの日野高評が面白かった。父兄や土手ファンの方々と一緒に起立して、試合終了のあいさつをして帰宅。
連“球”のしめくくりは「日常」の東京六大学。
東大の宮台が完封。4-0で立教に勝つ。打線もタイムリー、犠牲フライできっちり点をとっての完勝。

2016年5月2日月曜日

力関係がつかめない

今年の春季リーグ戦は例年以上に各大学の力関係がつかめない。
第3週までに2カードづつ消化。
早稲田は開幕戦で東大に苦しみながらも練習で勝ち点をとるも2カード目の立教には完敗ともいえる2連敗。
慶應は法政を圧倒する内容で2連勝で勝ち点も明治には1勝2敗1分け。エース加藤の投げた2試合は1点を争う延長戦も加藤が先発しない2試合は2ケタ以上の失点で完封されるという極端な試合。
明治は東大に0-1のきわどいサヨナラ勝ちのあと敗戦。慶應からは勝ち点を上げるも加藤は打てなかった。エース柳が好調だが、打線に本当に力があるかどうかは?マーク。
法政は慶應に完敗するも立教の2回戦ノーゲームからの連勝で勝ち点。
立教は法政に勝ち点を許すも早稲田から6季ぶりの勝ち点。
東大は宮台の好投で1週、2週を盛り上げ、明治から勝ち星。残り3カードで勝ち点も期待される。
そういう状況の中での第4週。
土曜日の1回戦、早稲田は先制されるも11安打を打って、逆転勝ち。エース大竹 (3 済々黌) は開幕からの不調が続く。去年のこの時期、高山(明治大-阪神タイガース)のバットをへし折っていたツーシームにキレ、コントロールがないし、フォームとテンポも好調時と違うように思う。打線も2ケタ安打はしたが14三振。5試合で計53三振は1試合平均2ケタ。もっと力のある明治の柳や慶應の加藤と対戦したら何個三振をとられるんだろうといまから心配になってしまう。2回戦は3つの送球ミスで自滅。打てないチームだけに守備のミスは致命的。
法政は不振で1回戦の先発のポジションを失った熊谷 (3 平塚学園) がリリーフで復調の気配。短いイニングなら140km/h台後半のスピードが出るストレートを軸に使える。
東大はエース宮台が慶應との1回戦で12安打5失点と打ちこまれる。宮台に限らず、全体的に息切れ感。慶應はいい時期に東大とあたった。1回戦は中3日のエース加藤が140球の完投勝ち。2回戦は小原大(4 花巻東)ではなく、清水洋 (3 函館ラサール) が先発。東大以外には厳しい。
<MEMO>
岩見雅紀(慶應義塾大) 2打席連続ホームラン(東京大学2回戦)
山本 俊(東京大)146km/h
八木 健太郎(早稲田大) 11秒台後半(右中間スリーベース)
 【NO.023 4/30(土)東京六大学2016春季リーグ戦 法政大 4-5 早稲田大】
【NO.024 4/30(土)東京六大学2016春季リーグ戦 東京大 1-6 慶應義塾大】
【NO.025 5/1(日)東京六大学2016春季リーグ戦 慶應義塾大 9-4 東京大】
【NO.026 5/1(日)東京六大学2016春季リーグ戦 早稲田大 2-7 法政大】

2016年4月25日月曜日

投手戦はやっぱり一発

【NO.021 4/23(土)東京六大学2016春季リーグ戦 明治大 10-0 慶應義塾大】
【NO.022 4/23(土)東京六大学2016春季リーグ戦 立教大 1-0 早稲田大】
早稲田 竹内 (4 松阪) 、立教 田村 (4 報徳学園) の投手戦は前の打席でリーグ戦初安打を打ったばかりの大東 (3 長良) のホームランで決着。
コントロールに苦しんで自滅するパターンの多い竹内。この試合はストライクが先行。四球も一つ。打たせてとる安定感のある投球だった。
立教の田村 (4 報徳学園) は140キロ台後半のストレートのキレが素晴らしく。コースの甘さは関係ないレベル。ストレートでどんどん追い込んで、スライダーでしとめるというパターン。
9回、ノーアウト二塁のピンチではバントの小飛球をダイビングキャッチでダブルプレーに。勝利もつかみとった。
ワセダ打線はこの試合で9三振。開幕戦で東大の宮台に13個の三振を奪われたことにフォーカスされたが、2回戦も4投手から11三振。立教の1回戦も軟投の澤田から6三振。4試合で39三振は多すぎないか。
第1試合。慶應は4回ノーアウト満塁の場面のセカンドフライの落球からガタガタ。
明治の佐野恵 (4 広陵) のホームランはライト中段。
明治の水野は初先発で完封。
<MEMO>
佐藤優太(明治大) 7秒90-ライトツーベース
小原和樹 (慶應義塾大) 1年春リーグ戦初安打 センター前 投手・水野
水野匡貴(明治大)初先発完封 被安打4 7奪三振 

田村伊知郎(立教大) 149km/h
佐藤竜彦(立教大) 4秒21-ショートゴロ
大東孝輔(立教大) リーグ戦初安打 投手・竹内 

大東孝輔(立教大) リーグ戦初本塁打 投手・竹内
八木健太郎 (早稲田大)4秒25-ショート内野安打 

柳16kも危うく

8回まで自己最多の16個の三振を奪った柳が危うく負け投手になるところだった。
見逃しが1つであとの15は空振り。三者連続が2度。ストレート、カーブ、フォーク、カットボール、チェンジアップ、最後しとめたボールもバリエーションに富んでいて柳らしかった。ストレートの最速は144km/h。
慶應は4回に須藤 (4 創志学園) のタイムリーツーベースで1点をとる。
7回にも内野安打2本とフィルダースチョイスでノーアウト満塁の突き放すチャンス。しかし、ここで走塁ミス。ライト前のテキサス安打がライトゴロに。三塁ランナーがハーフウエイではなく、タッチアップしていたのだ。9回に同点に追いつかれた場面は加藤拓 (4 慶應) がセカンドの牽制を暴投。ランナーに三塁に進まれ、直後に犠牲フライ。
第1試合は早稲田のエース、大竹 (3 済々黌) が2本のホームランを打たれるなどノックアウトされた。タイムリーツーベースも打たれたボールはいずれもカウントをとる90キロ台のカーブ。入り方に工夫が必要かもしれない。全体的にボールが高く大竹のよさが出ていなかった。降板するときのスタンドからの拍手には、震災で野球どころでない彼への励ましの気持ちが込められていた。

【NO.019 4/23(土)東京六大学2016春季リーグ戦 早稲田大 4-2 立教大】
【NO.020 4/23(土)東京六大学2016春季リーグ戦 明治大 1-1 慶應義塾大(延長12回)】

2016年4月18日月曜日

猛風 ノーゲーム

【NO.018 4/17(日)東京六大学2016春季リーグ戦 立教大 4-2 法政大(降雨ノーゲーム】
風速28m近い台風のような強い風と雨で試合はノーゲームとなった。
初回、法政が3番・川口 (2 横浜) のフェンス直撃のツーベースで1点先制。強風で打球が一伸び、二伸び。今日はこんな長打が多くなるよなあ。
立教が3回に佐藤拓 (4 浦和学院) 、笠松 (3 大阪桐蔭) の2本のツーランで4-1と逆転。2本とも風がなければフェンスを越えることはなかったであろう。笠松は狙って打ったかな。
雨脚が強くなってきて、4回裏、法政の攻撃が終わったところで中断。
外野の旗はちぎれんばかりに揺れる。電光掲示板の表示も文字の一部が欠けたりしていたが、電気系統に不具合があったのだろうか?
約1時間の中断ののち、13時過ぎに球審・上野が「ノーゲーム」のコール。
<MEMO>
大西千洋(法政大) 3秒77-ファースト内野安打
田中和基(立教大)3秒93-ショートゴロ、3秒93-ショートゴロ
田村伊知郎(立教大) 148km/h

2016年4月16日土曜日

宮台、今日もサヨナラに泣く

 【NO.016 4/16(土)東京六大学2016春季リーグ戦 東京大 0-1× 明治大】
 
 【NO.017 4/16(土)東京六大学2016春季リーグ戦 法政大 4-5× 立教大】
東京2016春季リーグ戦の第2週は熊本地震で被害にあわれた方々への黙とうから始まった。これ以上の被害がないこと、一刻も早く皆さんに平穏な日が戻ることを祈るばかりだ。
第1試合は東大の宮台(3 湘南) 、明治の柳(4 横浜)の投手戦。
第1週の早稲田1回戦で13個の三振を奪った宮台。甲子園エリートのそろう明治にひるむどころか、見下ろして投げている感じすらした。三振は4にとどまったが、クロスファイヤーのストレートでぐしゃっと詰まらせた内野フライを打たせたり、ボールには力があった。柳も緩急をうまく使った投球で東大打線につけ入るすきを与えず。最終回の「スクイズの攻防」で決着がついた。
9回表。東大の先頭バッター桐生 (4 西) がレフトのフェンス直撃のツーベース。送りバントでワンアウト三塁。ここで東大はキャプテンの山本克 (4 聖光学院) に代えて、代打に下雅意 (4 甲陽学院) を送る。スクイズの臭い。初球をスクイズした打球は小飛球。ホームベースに手を伸ばせば届きそうなところまで迫っていた桐生は帰ることが出来ず、ダブルプレー。
その裏、明治も先頭の佐野恵 (4 広陵) の左中間ツーベース。こちらも送って、ワンアウト三塁。バッターは投手の柳。初球を打っていってファウル。スクイズではないのか? 2球ボールでカウント2-1になってから柳がサード前に絶妙のサヨナラスクイズ。好投の宮台は2戦連続のサヨナラ負け。
第2試合は「どちらの投手が先に打ちこまれてマウンドを降りるか」という第1試合とは別の意味でのスリリングな試合。
立教の澤田圭  (4 大阪桐蔭) は初回から3本のヒットを打たれ1失点。法政の玉熊 (4 北海) も4回に4本のヒットを集められ1-2と逆転を許す。7回に立教がスクイズで3-1とリードを広げ、澤田の粘り投球で最終回。柴田 (4 東邦) にレフトフェンス直撃のツーベース、金子凌 (4 日大三) タイムリーで1点差。小林 (2 中京大中京) のセカンドゴロはゲッツーコース。4-6-3。送球が低く、一塁セーフ。だけかと思っていたらセカンドもセーフでランナーは三塁へ。尚も盗塁で二、三塁。清水二 (3 中京大中京) のセンター前のタイムリーで4-3と法政が逆転する。
しかし、法政は上條 (2 市立川越) 、谷川 (4 高松商) がストライクをとるのに苦しむ。上條がワイルドピッチで同点を許し、谷川がサヨナラの押し出し四球。何ともしまらない幕切れ。
<MEMO>

宮台康平(東京大) 143km/h
逢澤峻介(明治大) 3秒81-セカンドゴロ、3秒75-セカンド内野安打

大西千洋(法政大) 3秒87-投ゴロ髙田涼太(立教大) 1秒99-二塁盗塁刺
熊谷敬宥(立教大) 4秒06-送りバント
田中和基(立教大) 11秒77-左中間スリーベース
写真は好投した東大 宮台。



2016年4月11日月曜日

立教の新座グランドが人工芝に

六大学リーグの開幕前週は、武蔵小杉、新座へ。法政と立教のオープン戦を観て、"グランドスラム"達成。
シーズン前に六大学のすべてのグランドでオープン戦を観ることを、勝手に、"グランドスラム"と呼んでいる。春季、秋季ともにオープン戦の期間の1か月に週末を利用してすべてのグランドを回るのは意外と難しく、雨天中止などで5校で終わるパターンが多い。
この春は明治-東大-早稲田-慶應-法政-立教と予定通りに6大学すべてを回ることが出来た。
スケジュールを立てる上で難しいのが東大と立教。ともに遠征でのオープン戦が多い。
立教は人工芝対策のためかA軍が遠征し、B軍がホームという変則的な形でオープン戦が組まれてきた。先日、待望の全面人口芝グランドの工事が完了。この夏からホームでのオープン戦が増えるのではないだろか。オープン戦をホームで出来ることはコンディショニングなどのメリットも大きい。部員たちも喜んでいるはず。ネット裏の観客席も新調されたのは観戦するものにもうれしいことだ。
法政は熊谷、立教は澤田が社会人相手に打ちこまれていた。エース格の二人が調子を上げてこないと厳しいシーズンになりそう。

【NO.010 4/2(土)オープン戦 法政大 2-5 Honda】
川口 凌(法政大) 4安打 3方向に打ち分ける 外の変化球への対応も素晴らしい。
宇草 孔基(法政大)はノックではファースト
真砂将広(Honda) 1秒99
 【NO.011 4/3(日)オープン戦 立教大 6-7  東芝】



2016年4月4日月曜日

3/27 社会人対抗2日目(メモのみ)

【NO.008  2016/3/27 法政大 5-4 新日鐵住金かずさマジック 神宮球場 2016東京六大学-社会人対抗戦】
 大西千洋(法政大) 7秒56(二塁打) 3秒85(セカンドゴロ) 3秒81(セカンドゴロ)
川口凌(法政大) カーブ狙ってセンター前ヒット
舩曳 海(天理) センターの守備で出場
中村浩人(法政大) セカンド送球 1秒83 盗塁刺数 1
小泉健(かずさマジック) 3本の二塁打 広角に打ち分ける

【NO.009  2016/3/27 慶應義塾大 6-5 セガサミー 神宮球場 2016東京六大学-社会人対抗戦】
柳町 (1 慶應)  髙橋佑 (1 川越東)  宮田 (1 慶應)  郡司 (1 仙台育英) の4人の新人が出場。
郡司は代打でセカンドファウルフライ。 髙橋佑はストレートは130キロ前半
慶應にエネオスばりの全力疾走が浸透
原田匠(3 慶應) 2イニング2奪三振 最速141km/hもボールに力がある。細かいコントロールはない。鈴木哲みたい?
 澤良木(セガサミー)がライトへ大ホームラン。

2016年3月27日日曜日

called gameでcold game

【NO.006 3/26(土)2016東京六大学-社会人対抗戦 東京大 1-15  JX-ENEOS】
【NO.007 3/26(土)2016東京六大学-社会人対抗戦 早稲田大 6-2  日本通運】
“花冷え”。気温は日中でも10℃前後。今年初めての神宮は寒さに耐える観戦となった。
こういう日の東大戦はいつも以上につらい。
called gameでcold game。終わるか分からない心理状態に冬のような寒さが追い打ちをかける。
こんな一方的な展開になったのは14四死球11被安打の投手陣。
ベンチやスタンドから投手に「攻めろ」という声がしきりに飛んでいたが、そういう心理的なことではなく、技術的な問題だ。まあ、分かっていてそういう声をかけているとは思うのだが。
今シーズンも宮台が投げないとこういう試合が多くなるんだろうなあ。その宮台はブルペンで投げていたが、マウンドに立つ準備をしているようには見えなかった。ここまでのオープン戦も20日の東京情報大学にリリーフで2イニング投げただけ。投げさせないのか。投げられないのか。

JX-ENEOSは元気者のキャプテン、
渡邉 貴美男(文星芸術大附→國學院大)が2打席連続ホームラン。4番で出場した大物ルーキー谷田成吾(慶應義塾→慶應義塾大)は何を力んだのか2三振。外の球が見えてないよなあ。江口昌太(鹿児島工)は3回見た中ではこの日が一番よかった。スライダーのコントロールがよく、どんどんストライクをとって優位なカウントで勝負出来ていた。ただ、ストレートの最速は141km/hでは物足りない。フォームはきれいなんだけど、体の芯の強さがない、体幹が弱いんだよなあ。フォームがぶれてきてボールもばらついてくる。
早稲田は中澤 (4 静岡) の状態がいい。先週の同志社との試合で3安打したのを見たが、この試合も2安打。ダメ押しとなった9回のセンターオーバーの三塁打は、他のバッターが差し込まれいた川端 (立教大OB) のボールに力負けしないでしっかり捕えたもの。三塁到達は11秒71。第1打席の出塁で盗塁を試みて失敗するが、同じ左投手から2回目のトライでは難なく成功。1回目の失敗を修正し、スタートした瞬間にセーフを確信出来る完璧なスチールだった。
今日はあまりに寒かったので、日なたを求めて「定位置」から移動。最後は前から4列目まで来てしまった。

<MEMO>
江口昌太(JX-ENEOS) 141km/h(ストレート最速)
中澤彰太(早稲田大) 11秒71(センター三塁打)



 


2016年3月22日火曜日

早稲田も慶應も

【NO.004 3/20(日)同志社大学交流戦 早稲田大 3-2  同志社大】
【NO.005 3/21(月)オープン戦 慶應義塾大 2-1  國學院大】
土日は早稲田、慶應の新チームをチェック。早稲田も慶應も主力の野手が卒業。どんなオーダーを組んでくるのか楽しみにしていた。
早稲田は旧チームでもレギュラーだった中澤彰太(4年 静岡)、石井一成(4年 作新学院)が3番、4番に座る打線。
この二人にかかる期待は大きい。昨年、絶不調の中澤はこの試合で3安打。ノックのときから動きがよかったが、打席でもリラックスしていて投手の左右に関係なく、変化球にもうまく対応していた。第2打席センター前ヒットで出塁し、1秒99の送球をかいくぐって二盗。
レギュラー定着を狙う木田大貴(4年 成章)、三倉進(3年 東邦)がそれぞれ2安打し打点も上げてアピール。
先発の小島和哉(2年 浦和学院)。ホームに投げるボールは調整半ばという感じも、ファーストに投げるボールは絶品。2つの牽制アウトでピンチの芽を摘んだ。この日はファーストベース後方のポジションだったのでランナーに近い目線。モーションのバリエーションも豊富で間合いも絶妙。見ている僕も何回かひっかかってしまった(笑)。
日曜の慶應も沓掛祥和(4年 慶應義塾)、山口翔大(4年 桐光学園)が3、4番を打つのは早稲田と同じだが、郡司裕也(仙台育英)、柳町達(慶應義塾)のルーキー二人がスタメンに名を連ねていたのが目を引いた。高校日本代表の郡司は捕手でなくDHでの出場し、3打数1安打。
先発はエース加藤拓也(4年 慶應義塾)。力んで制球を乱すような場面もなく、140キロ台中盤のストレートと低めの変化球で10三振を奪った。打たれたヒット2本も1本はいわゆる“カンチャン”でほとんど芯でとらえる場面がなかった。ストライク率も高く、らしくない無四球で安定感があった。


写真は慶應期待のルーキー、郡司裕也






2016年3月20日日曜日

こんな雨の日には

【NO.003 3/19(土)オープン戦 東京大 1-3  富士大(4回降雨コールド)】
北東北大学の野球連盟の強豪、富士大と東大のダブルヘッダー。今シーズンの東大の力量を
測るには絶好の相手。
生憎の雨で試合時間は10時30分から10時に早めることが東大野球部のサイトで告知されていたが、さらに早まって9時30分過ぎにプレーボール。
2回 富士大が8番 冨永航平(2年 宮崎日本大学 )のタイムリーツーベースで2点先制。
東大は3回に1番 桐生 祥汰(4年 都立西)のライト線へのタイムリーツーベースで1点返す。
4回 富士大の5番 三浦智聡(2年 盛岡大学附属)のライトオーバーのソロホームランで3-1。
その裏、東大の攻撃が三者凡退で終わったところで降雨コールド。
イニング間に砂入れをしてグランド状態をキープしようとしたが、強まる雨脚に追いつかなくなった。
残念な気持ちを切り替えて、キャンパスを散策。安田講堂を見てから本郷中央食堂に行ってみた。
何回か立ち寄っているが、タイミングが悪く食事をしたことはなかったので今日が初めて。
券売機ではなく、対人の食券売り場で「赤門ラーメン(400円)」を注文。汁なしの担々麺と行った感じだろうか。ちょっと辛さにパンチがなかったので、粉末のコリアン唐辛子を入れてみた。それでもあまり辛くない。
入ったときは空いていたが、東大生だけでなく、近所の人や見学で来た人たちでにぎやかなになってきたタイミングで外に出た。雨は上がっていて、しばらくぶらぶら。キャンパス内のスタバで友達としばし談笑。野球の中止は残念だったが、こんな時間の悪くないよな。


2016年3月7日月曜日

フレッシュなエネオス ベテランのJFE

【NO.002 3/5(土)オープン戦 JX-ENEOS 3-1 JFE東日本】
武蔵小杉駅から等々力競技場に向かうフォロンターレのサポーターに紛れて、隣のエネオスグランドへ。
「冬籠りの虫が這い出る」という啓蟄。エネオスの見学スペースは野球の虫たちでぎっしり。
この両チームは来週の東京スポニチでリーグ戦の同じグループに入っていて、対戦する。
わざわざ本番直前にとも思うが、東京スポニチのスケジュールが決まる前に試合を組んだのだろうか。どこまで手の内を見せるか? まあ、お互いによく知っているのでは大きな影響もないような気もする。
JX-ENEOSは、若林晃弘(法政大)、谷田成吾(慶應義塾大)、塩見泰隆(帝京大)、猪又弘樹(青山学院大)のルーキー4人がスタメンに並ぶフレッシュなオーダー。高卒新人の鈴木健矢(木更津総合)もリリーフで登板。
対するJFE東日本は、スタメンに落合成紀(34才)、金森宏徳(32才)、津留侑士(30才)、リリーフで杉本智大(30才)が登板するなどベテランと言われる年齢の選手が多い。
選手入れ替えの過渡期にあるチームと安定した成熟したチームの対戦といったところか。
試合は、初回にベテラン金森が3ランを放ち、JFE東日本が先制。JX-ENEOSがその裏、ルーキー谷田のまずい走塁で1点返すにとどまる。
結局、そのままのスコアでゲームセット。
JX-ENEOSの不動の4番、山田敏貴(早稲田大)。去年は社会人野球首位打者賞とベストナインを獲得し、円熟期にある。この日はベンチスタートだったが、代打で出てきて右中間にツーベース。強さだけでなくうまさのあるのが彼の持ち味。
JX-ENEOSのベテラン、コーチ兼任の前田将希。代走で出て来て盗塁死。大きなリードで何度も牽制を投げさせるなどまだまだ元気。
JX-ENEOSのの鈴木健矢はゆったりしたフォームのサイドハンド。3イニング無失点。4つの三振を奪った。球速は130キロ半ばだったが、低めによくコントロールされていて、空振りもとれる。
写真は谷田成吾。2年でプロに行けるのか。同じく慶應のスラッガーであった金森やエネオスの先輩でもある池辺 啓二のように社会人でキャリアを終えるのか。

<MEMO>
塩見泰隆(JX-ENEOS) 4'05 ショート内野安打
塩見泰隆(JX-ENEOS)  4'12 サードゴロ  

2016年2月29日月曜日

御大に一礼

【NO.001 2/27(土)オープン戦 明治大 2-7 東芝】
「2016年野球の旅」は御大に一礼してからスタート。
内海・島岡ボールパークに来るとまずは内海先生と島岡御大の彫像に一礼する。
お二人が見守るセンター後方の小高い丘から球場を見下ろす。
わあー野球の臭いだ。野球の音だ。
今年初めての球場観戦に心がダンス・ダンス・ダンス。
スタンドではあちこちで「今年もよろしくお願いします」とか「おめでとうございます」とか新年のようなごあいさつ。今日が今年初めての観戦の人が多いのだ。ファンや観戦家にとってはお正月。
試合前には座席のオレンジの部分が見えないなくなるほどの人たちでぎっしり。
春のオープン戦ではこんなようなことをポイントにして観ている。
(1)新戦力
いわゆる新人、ルーキーだけでなく、今シーズン出てきそうな選手、出てきて欲しい選手。
明治は新人のベンチ入りはなし。アメリカキャンプから帰ってきてからB戦を中心にお試し期間があるはず。戦力としてメドが立てば、リーグ戦でベンチ入り。 森下暢仁(大分商)なんか観てみたいなあ。
東芝は加嶋宏紀(慶應志木-慶應義塾大)、時本亮(大垣日大-専修大)、堀米潤平(久慈東-白鷗大)の大卒ルーキー3選手が出場。
(2)コンディション
選手のコンディション、チームとしてのコンディション。
シーズンに向けて、コンディションはどの段階にあるのか。故障者やけが人はいないか。
アメリカキャンプ直前の明治と2週間後に公式戦(JABA東京スポニチ大会)を控えた東芝の対戦。これからしっかり鍛える大学チームと仕上げの時期に入っている社会人チームとは当然、コンディションの違いが前提。
まあ、他にはポイントはあるがそれは追々。

明治の先発投手は(1)新戦力の「出てきそうな選手、出てきて欲しい選手」の一人である川口貴都(4 國學院久我山)。
去年、野手に専念するという話も聞いていたが、最後の年は投手で勝負するようだ。
その意気込みを示すように3イニングをパーフェクト。
しかし、2巡目から一変。先頭バッターをエラーで出し、4本の長短打で4失点。
公式戦の近い東芝の打線に甘いボール、コントロールミスは許されない。
5回はempty状態に見えたが続投。クリーンアップに3連打されるなど1失点。
2番手は島田晟吾(4年 佼成学園)をはさんで、星知弥(4年 宇都宮工)。
リーグ戦でも想定される最後のマウンドに立つという設定だったが、下位打線に3連続長短打で2失点。
ストレートは146km/h出ていたが、コントロールが甘い。社会人の下位打線は大学時代では主力。甘い球はしっかり長打を打たれる。
東芝の先発は、ルーキー左腕、加嶋宏紀(慶應志木-慶應義塾大)。
社会人のチームは大学生相手では主力投手ではなく、新人や若手投手をぶつけてくる。公式戦で使えるかどうかの見極めの場。
加嶋は3イニングで被安打5、2失点。守備に脚をひっぱられたとは言え、いい結果とは言えないなあ。
同じく新人の時本亮(大垣日大-専修大)は代打で起用され、レフトフライ。
堀米潤平(久慈東-白鷗大)は代打でタイムリースリーベース。三塁到達は11秒65。なかなかの俊足だ。
両チームとも走塁や守備のカンが今一つというプレーが散見した。これからキャンプの明治はこれから修正していくだろうし、東芝はフィジカル的な疲労もたまっているのかなあ。
<MEMO>
堀米潤平 11秒65(左中間三塁打)