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2019年4月30日火曜日

KとH ホームラン合戦

【NO.30 2019/4/29 法政大 4-7 慶應義塾大 神宮球場 東京六大学2019春季リーグ戦】
 プロ野球のゲームかと思うような派手なホームラン合戦だった。
 まずは2回表に法政の7番毛利(4年 愛工大名電)が左中間に先制ホームラン。続く3回には3番安本(4年 静岡)も3試合連続ホームランをレフトに放り込む。4-0。
 法政が主導権を握る展開にも慶應はジタバタしない。4失点直後の3回裏に先発高橋佑(4年 川越東)に代打を送らず続投の判断。回も浅く、法政の先発の高田孝(3年 平塚学園)の出来と自分のチームの打線の力関係、継投のことを考えれば十分追いつけるというのが大久保監督の判断。高橋佑からの3連打で反撃のトリガーとなる1点。
 5回裏、3巡目の慶應は柳町(4年 慶應)、渡部遼(2年 桐光学園)がチャンスメーク。ここで5番・正木(2年 慶應)がバックスリーン越えの同点3ラン。
 この慶應の勢いを止められるのはエースしかいない。法政は6回から三浦(2年 福大大濠)を投入。球威、コントロールとも精彩を欠く3連投のエースは2本のヒットを打たれ、柳町に通算95安打となるライトへ3ランを打たれ、ジエンド。投手層の厚さの差が出た。
 前褌(まえみつ)をとらせておいて最後は豪快な投げで勝つ「横綱相撲」。

2019年4月29日月曜日

継投は難しい

【No.28 2019/4/28 明治大 5-3 早稲田大 神宮球場 東京六大学2019春季リーグ戦】
 代えなくてはならない場面で代えず、代えなくていい場面で代える。このカードのワセダは1回戦の早川は前者で、2回戦の今西は後者だろう。
 前日の1回戦のリリーフし失点はしたものの2つの三振(1つは振り逃げ)を奪った今西は手ごたえを感じて2回戦のリリーフのマウンドにも上がっただろう。2番手として5回から登板し、7回まで明治打線を内野安打1本に抑える。球威のあるストレートは角度もあって、まるでバレーボールのスパイクを叩きつけているかのよう。明治の各打者にまともにバッティングをさせない。故障明け、フィジカルだけでなくメンタルのスタミナも心配だ。代え時は難しいなあ。1点を守るベストの継投は何がベストか? 考えているうちに8回になった。このイニングを任せて9回を徳山に託すのか。
 今西は左バッターから2つのアウトをとる。あと一つと思ったところで小宮山監督が出てくる。右打者の北本に右投手の柴田をぶつける。プロ野球ではよく見る形の継投。この日の北本は第1打席でセンターオーバーのツーベースするなどなかなかいい雰囲気でボールをとらえている。ホームランが出れば同点。1つ早いタイミングで徳山を出せば、という人もいたがこれは結果論だ。9回行くぞと言われていた徳山が気持ちを作れず打たれるということだって考えられる。テレビゲームの選手のように簡単じゃない。柴田を選んだのはチームを投手をよく知っている監督の決断だ。
 北本サード強襲ヒットのあとのピッチャーゴロ。安堵しながらスコアブックに1のループを書こうと思ったら、柴田が後逸。1の隣にEを書く。ゴロにおかしな回転がかかり一種のイレギュラーのような打球になる不運。柴田は自分のミスもあってかなり動揺している。キャッキャーの小藤はマウンドに行くし、それを感じとったショートの檜村が牽制をはさんで落ち着かせようとする。キャッチャーからの返球を柴田はまともにとれない。これも動揺の兆候か。そんなメンタルで大丈夫かよぉ。嫌な予感の直後に逆転3ラン。
 監督はバカではない。端から見ていて疑問を持つような交代の意味を類推することは野球観戦のだいご味の一つだ。監督の采配を批判して何か自分が監督よりもえらくなったような気分になってしまうのは思考停止、観戦者としての成長はないし、応援者を名乗る資格はない。

2019年4月28日日曜日

ミスしても勝つK つなげないW

【No.26 2019/4/27 法政大 2-5 慶應義塾大 神宮球場 東京六大学2019春季リーグ戦】
【NO.27 2019/4/27 早稲田大 3-7 明治大 神宮球場 東京六大学2019春季リーグ戦】
 あのミスがなかったらは敗戦を悔やむ弁だが、あのミスがあってもと言いたくなる慶應の勝ちっぷりだった。
 1回表、ショート瀬戸西(3年 慶應)のミスからピンチを広げ先制された慶應。4回表、ワンアウト一塁。ゲッツーコースのゴロをサード柳町(4年 慶應)がそらして一、三塁のピンチ。ここを先発の高橋佑(4年 川越東)が二者連続三振でしのぐ。法政のエース三浦(2年 福大大濠)に1安打に抑えられていた慶應。6回表、先頭の柳町がライト前ヒット(通算91安打)。2番・渡部遼(2年 桐光学園)が柳町の盗塁をアシストするために打席を出たため守備妨害。ワンアウト一塁からやり直し。3番・中村(4年 中京大中京)は進塁を意識したセカンドゴロ。4番・郡司(4年 仙台育英)が三浦の低めのスライダーをライト前に運ぶ同点タイムリー。
 7回表、ツーアウト二塁。柳町のライト前へのタイムリーヒット(通算92安打)で勝ち越し。8回表には7番・小原(4年 盛岡三)の3ランでダメを押す。
 早稲田は5回まで明治を1安打に抑えていた早川(3年 木更津総合)が6回に4本のヒットを打たれて3失点。1-3と逆転される。7回も続投した早川は8番・西野(4年 浦和学院)、9番・清水頌(4 春日部共栄)に連打され2番・丸山(2年 前橋育英)にレフトオーバーされさらに2失点。ずいぶんひっぱたなあ。6回の時点でボールの質はかなり落ちていたが、バッティングがいいといえない8、9番に連打された段階は交代のデッドラインだった。小宮山監督がわかってないはずはなかったが、代えたくても代えられなかったんだろうな。この場面を故障明けで実戦から離れている今西に託すわけにはいかないし、徳山を出すには早すぎる。早川をエースになるための耐える力をつけさせるためにあえてと考えるのはあまりに好意的な解釈か。

2019年4月22日月曜日

勝利呼びこむ丸山の脚

【No.24 2019/4/21 立教大 3-4 明治大 神宮球場】
 六大学リーグ戦に新しいスピードスター。明治大の丸山和郁。前橋育英時代には1試合8盗塁を記録するなど高校球界にその名をとどろかせた俊足。この試合ではすべて内野安打で3安打。チャンスメークに徹した丸山の脚が明治に勝利を呼びこんだ。
 第1打席、まずはバントヒット。タイムは3秒59。
第2打席 意図的に高いバウンドになる叩き付ける打法でサード内野安打。3秒76。
第3打席 インコースに詰まったショートゴロが内野安打に。3秒89。
第4打席 平凡なセカンドゴロはさすがにアウトになったが間一髪のタイミング。3秒78。     
 2回には左中間を抜けるかという当たりに快足を飛ばして追いついた。 前日の試合では、定位置のセンターフライに三塁ランナーがベースにくぎ付け。ホームに突っ込んでいたらアウトになっただろうと思う力強いボールがカットまで戻ってきた。 快足に加えて、強肩。明治のゲームではノックから注目したいし、打席ごとにストップウオッチを押すのも楽しみ。

2019年4月21日日曜日

Wタクヤほろにがデビュー

【No.22 2019/4/20 東京大 1-13 早稲田大 神宮球場 東京六大学2019春季リーグ戦】
 小宮監督のリーグ戦初采配。ワセダを背負う二人のタクヤがデビューした。
 オープン戦で監督の信頼を得て6番ファーストでスタメンを勝ち取った中川卓也(大阪桐蔭)。1回裏ランナー一、三塁のチャンスでの初打席。紺碧の空が流れる中、コースの広さを確認するかのようにバットでホームベースの周辺を叩くルーティン。東大のエース、小林大雅(4年 横浜翠嵐)の高めに浮いた初球を打つ。ライトスタンドまでは届かず。
 第2打席は2回裏二、三塁。2番手の坂口友洋の変化球にタイミングが合わずサードファウルフライ。第3打席は4回裏ランナーなし。点差もつき、ランナーもいないプレッシャーのない場面。ここも坂口のボールをうまくとらえられずファーストゴロ。ワンアウトランナーなしで迎えた第4打席。ここも坂口にタイミングを外されキャッチャーファウルフライ。先頭バッターで迎えた最終打席。奥野雄介のストレートをとらえるもセンター後方へのフライ。ものおじせずファーストストライクを積極的に打っていくも初安打は生まれなかった。

 

 もう一人のタクヤ、蛭間拓哉はコンバットマーチに後押しされて代打での初打席。奥野雄介のアウトコースのボールをしっかり見極め0-1。1-1からの初スイングは空振り。3-2から外のボールをカット気味にファウル。次のボールは少し甘めにきたがとらえらえずファウル。最後はインローのボールにバットが空を切る空振り三振。

2019年4月14日日曜日

タツル、86、87、88

【No.20 2019/4/13 東京大 0-7 法政大 神宮球場 東京六大学2019春季リーグ戦】
【No.21 2019/4/13 慶應義塾大 4-1 立教大 神宮球場 東京六大学2019春季リーグ戦】
 
 東大打線を青山、井上の"ポッチャリブラザース"の代打ヒット2本のみに抑えた法政は先発の柱(三浦)、リリーフの柱の左右2枚(石川、朝山)もテスト。背番号40の金光監督代行の腕のふるいどころもない完勝。東大はシーズン4勝という強気な目標とはかなりかけ離れた現実。  
 86本、87本、88本、タツルがすべてセンター前に3安打。W高橋(佑樹、亮吾)のリレーで慶應が立教に先勝。競り合った試合はミスが命取り。立教のショート笠井は挟殺でのミスのあと決勝点となる送球ミス。アクロバティックなプレーは出来ても勝負どころで弱いフィルダーを名手とは呼べないな。好きな選手だけに残念。

2019年4月8日月曜日

形を変えた早東戦

【No.19 2019/4/7 早稲田実 16-1 駿台学園 神宮第二球場 平成31年 春季東京都高等学校野球大会】
 駿台学園の監督は東大野球部の元監督の三角裕監督。となりの神宮球場でのいつかの早東戦のようなワンサイドの展開になった。
 1回裏、いきなり1番バッターが左中間のツーベース、2番バッターがレフト前ヒットで一、三塁。4番バッターのサード内野安打で駿台学園が先制。鮮やかな攻め。これが唯一の得点になるとは。
 2回、3回に2点でペースをつかんだ早実。4回は打者15人を送り込む猛攻で11得点。5回にも1点を追加し、16-1のコールド勝ち。
 1番セカンド北村 広輝。神戸中央シニアの頃にも見たが、良くも悪くも軽いプレーは変わっていない。2番サード
梅村 大和(世田谷西シニア)。ノックのスローイングから目立つ強いリスト。4打席目で球足の速いゴロのヒットがライトの後逸を誘いダイヤモンド1周。タイムは15秒76となかなか。宇野 竜一朗(市川シニア)はOBの内田 聖人のような躍動感のあるフォームと腕の振りの速さ。代打で出てきた西口 純生は190㎝/110kgという巨漢。ファウルした1回のスイングは力強く、スラッガーの予感。「ゴジラ」の産地、石川出身で中学は軟式野球部なのか。2年生の好素材が目立つなか、1年時はショートを守っていた生沼 弥真人は背番号9でファースト、茅野 真太郎は背番号8でキャッチャー。上級生になるとなんでこうなっちゃうの?

2019年4月7日日曜日

陽気に誘われはしご観戦

【No.16 2019/4/6 日大三 1-0 修徳 ダイワハウススタジアウム八王子 平成31年 春季東京都高等学校野球大会】
【No.17 2019/4/6 早稲田大 4-2 共栄大 安部球場 オープン戦】
 試合開始10時の1時間半前にダイワハウススタジアウム八王子に到着。好カードなんで行列も覚悟したが拍子抜けするくらいの入りでバックネット裏の4列目の真ん中を確保。ノックの始まるころにはどんどん観客が増えて、スタンドは9割程度埋まる。
 日大三の先発は背番号10の191センチの長身、廣澤優。立ち上がりコントロールに苦しむが少しづつ安定してくる。ストレートは130キロ台後半で速いという感じはしない。三塁側にステップするので縦ばかりでなく横にも角度がつく。0-0と緊迫した状況で6回からは150キロ右腕、井上広輝がマウンドへ。スピードは明らかにこちらのほうがある。最初のバッターをインコースの140キロ台後半のストレートで空振り三振。7回はワンアウト二塁のピンチを迎えるがストレート、スライダーで連続三振。8、9回も1つづつ三振をとって4イニングで5奪三振。
 投手にくらべて小粒な印象の三高打線。8回に170センチの小さな4番打者、宇津木帝凱のタイムリーで1点とるのが精一杯。修徳が継投しなかったら得点できただろうか。
 試合終了11時54分。急げば安部球場で早稲田のオープン戦がかなりの時間観られそう。ブリスクウオークで10分ちょっとで西八王子駅に行き、中央特快で三鷹、北裏行きのバス。安部球場到着は13時5分。少し早く始まったのか早稲田の1回裏の攻撃、バッターは3番の福岡。
 早稲田の先発は早川隆久(3年 木更津総合)。新チームになって初めて見る早川には落ち着きと自信が感じられた。自信をもってゆるいボールを投げ、カウントが悪くなっても周りを見る余裕がある。ストレートのスピード、キレは今一つだたっと思うがそれでも6イニングを振り逃げのみの準完全に抑える。2番手はルーキー田中星流(仙台育英)。甘いボールを痛打され2失点したが、想像した以上に力強いボールを投げる。ルーキーとの違いを見せるスピード、厚みのあるストレートを3番手の柴田迅(3年 早大学院)徳山壮磨(2年 大阪桐蔭)が投げ込む。試合終盤を任せるのはこの二人になりそう。
 打線は共栄大の左腕・佐藤廉(3年 修徳)を攻略できず。左バッターが外の変化球を見極められない。立教の田中誠也、慶應の高橋祐樹などリーグにはサウスポーの好投手がいる。この試合ではスタメンに8人の左バッターが並んだ。本番ではどういう対策をたてるのだろうか。
 帰りは大先輩に車で送っていただく。桜並木の続く道を走りながらシーズンの展望などを聞かせていただく至福のとき。こういう花見もいいものだ。

2019年4月6日土曜日

監督就任直後のシーズン ワセダは優勝する?

 誰かから聞いたのか、自分の願望が作り出した妄想なのか「監督就任直後のシーズンにワセダは優勝する」というのがジンクスとして頭に刻み込まれていた。小宮新監督を迎えたこのタイミングで調べてみた。

①飛田忠順  1919年就任 六大学リーグ戦の始まった1925年の優勝 ◎
②市岡忠男  1926年春季 ×
③大下常吉  1931年春季 ×
④久保田禎  1934年春季 ×
⑤田中勝雄  1937年春季 ×
⑥伊丹安広  1940年春季 △ 三大学同率で優勝預かり
⑦相田暢一  1946年春季 ×
⑧森茂雄   1947年秋季 ×
⑨石井連藏  1958年春季 ×
⑩石井藤吉郎 1964年春季 ◎
⑪石山建一  1974年春季 ◎
⑫宮崎康之  1979年春季 ◎
⑬飯田修   1985年春季 ×
⑭石井連藏  1988年春季 ×
⑮佐藤清   1995年春季 ×
⑯野村徹   1999年春季 ◎
⑰應武篤良  2005年春季 ◎
⑱岡村猛   2011年春季 ×
⑲高橋広   2015年春季 ◎

 初代の飛田忠順さんをカウントしないと10代監督の石井藤吉郎まで就任直後のシーズンの優勝はないのだ。18回のうち6回は決して多いとは言えない。
ライバル慶應について調べてみたら18回のうち6回と早稲田とまったく同じ! 早稲田と並んで最多の45回の優勝回数を誇る法政にいたっては15回のうち3回という少なさ。
 部員、チームの力量を把握する時間が十分でないし、いい状態で監督を引き継がれなかたことも多かっただろう。監督自身も大学野球はおろか野球の世界から離れていたケースもある。秋季リーグが終わってからの半年に満たない期間で優勝できるチームを作り上げるのは難しいことは少し考えてみればわかることだ。
 野村徹さんから続いた流れで、岡村猛さんのときにひどく物足りなく感じたものだが、長い歴史を考えれば珍しいことではないのだな。そう考えると小宮山ワセダを寛容な気持ちで見守ることが出来そうだ。

2019年4月1日月曜日

11年ぶりの東大戦

【No.12 2019/3/30 東京大 4-11 かずさマジック 神宮球場 2019社会人対抗戦 】
 松本 啓二朗にとって2008年9月23日以来11年神宮での東大戦である。試合前には東大の浜田監督や審判の方などに声をかけられ、帽子をとって丁寧にあいさつしていた。律儀な性格は変わってないなあ、とうれしくなる。
 最後の東大戦でも2安打するなどワセダ時代に得意にしたカード。4番ライトで出場。第1打席でショートゴロ(エラー)のあとの第2打席。0-1からレフトへ犠牲フライ。2点ビハインドから1点返す反撃のスイッチを入れる。4-3と逆転したあとの第3打席。カウント3-2からの変化球にうまくアジャストしてのライト前へのタイムリー。この回に6得点でゲームの大勢を決まるとお役御免。もう少し見たかったなあ。今年も都市対抗での活躍はもちろんオール早慶戦でのワセダのユニフォーム姿もみたいなあ。せっかくアマチュアの世界に帰ってきたんだしね。