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2019年10月21日月曜日

ハイパーキャッチャー

【No.103 2019/10/20 早稲田大 5-2(延長12回)立教大】
(神宮球場 東京六大学2019秋季リーグ戦)
 早稲田にハイパーキャッチャー現ると言ったら言い過ぎだろうか。「スーパーよりも凄い」という言葉を使いたくなるほど早稲田の岩本久重(2年 大阪桐蔭)のパフォーマンスは圧巻だった。
 先輩捕手の小藤の怪我で回ってきたスタメンのチャンス。6番キャッチャーでスタメンの掲示板を見たときからワクワクした。これまで代打や守備での途中出場でしか見ていなかったが、初めてフルでプレーを見られそうだ。イニング間のセカンド送球は1.6秒台と聞いていたがこの試合の中でも1.7秒台を2回記録。これは先日のドラフトでソフトバンクから2位指名をうけた海野隆司(東海大)に匹敵するタイム。実戦の中でも素晴らしいスローイングを見せる。4回裏、大阪桐蔭の後輩、宮﨑仁斗がスチールをしかけてくるとショートバウンドながら1.94秒で刺す。6回裏、またも宮崎がしかけてくるが今度は待ってましたとばかりに余裕を持ってコントロールされた2.04秒の送球でタッチアウト。ボールがセンターに突き抜けるのではないかと思うほどの勢いで失速するどころか加速していくように見える。
 強肩は想定していたが驚かされたのはその脚力。第1打席、第2打席の外野フライで今の早稲田では珍しくセカンドまで全力で走るのだが、このときのランニングにスピード感がある。延長12回の決勝タイムリースリーベースのタイムは右打者としては珍しい11秒台(11秒6)。ベースを蹴るごとに加速している走りに早稲田の先輩、中村奨吾(ロッテ)の姿が重なった。
 この試合2安打したバッティングもスピードとパワーがある。
 また一人、見るのが楽しみな選手が増えた。

 

2019年10月18日金曜日

2019年東京六大学ドラフト指名選手

(明治大)
〇森下 暢仁・投手 広島1位
大学球界のエース。最速は155キロのストレート、カットボール、カーブなどすべての球種のレベルが高い。大学の4年間で心身ともにスタミナがつき、悪いなかでもゲームが作れるようになった。
〇伊勢 大夢・投手 DeNA3位
リーグ通算3勝もスリークウオーターから150キロ超のストレートやツーシームなど力強い投球。六大学選抜で出場した昨年の第6回 FISU世界大学野球選手権大会 2018ではエースとして活躍し優勝に貢献。
(慶應義塾大)
〇津留崎 大成・投手 楽天3位
高校3年秋のトミー・ジョン手術から復活。最速153キロのリリーバー。これまでの中継ぎからこの秋はクローザー的に起用されている。
〇郡司 裕也・捕手 中日4位
1年の秋からレギュラー。二塁送球1.9秒台のスローイングはすごみはないがコントロールがいい。バッティングは捕手らしい配球の良さで思い切りがいい。去年までは右中間に飛ぶ打球が多かったが、今年はひっぱる打球も増えた。
〇柳町 達・外野手 ソフトバンク5位
1年春いきなり3割を打ちベストナイン。春のリーグで通算100安打に到達したヒットメーカー。ルックスにも慶應らしい華やかさがある。
○植田将太・捕手 ロッテ育成2位
プレーを見た記憶がないのでコメントは控える。
(法政大)
〇宇草 孔基・外野手 広島2位
大学ジャパンのトップバッター。塁間を3.7秒台で走るスピードだけでなく、リーグ通算8本のホームランを打つなどパワーもある。スローイングの不安定なところは気になるがそれを打ち消すくらいの魅力があっての上位指名。
〇福田 光輝・内野手 ロッテ5位
昨年まではサード、この春からショートを守る。バッティングはフルスイングと勝負強さが特徴。強いキャプテンシーで大阪桐蔭でも法政でも主将。よく声を出し、メンタルも強い。

2019年10月7日月曜日

スリルはいらない

【No.98 2019/10/5 東京大 3-4× 早稲田大】
【No.99 2019/10/6  早稲田大 3‐0 東京大】
 (神宮球場 東京六大学2019秋季リーグ戦)
 明治に連勝で勝ち点を獲った早稲田。その勢いで東大に大勝、というわけにはいかず。
 1回戦。早稲田は序盤に3点をとるも中押しが出来ず。暑さによる疲れもあってか先発の早川(3 木更津総合)が2点を献上し、2-3と追い上げられる。3イニングを今西‐柴田と繋いで1点を守るかと思ったが、7回のマウンドにはリーグ戦初登板の野口(4 早大本庄) 。野口は不安を感じさせない投球で三者凡退。続く8回こそ今西と思ったが、マウンドに上がったのはルーキーの田中星流(仙台育英)。春季リーグで3試合登板し、防御率9.00。春の東大1回戦では点こそ取られなかったがヒットを2本打たれている。1点を守りにいくための継投とは考えがたい。四球からピンチを招き、東大の4番・青山海(4年 広島学院)にセンターへのライナーのタイムリーを打たれて同点とされてしまう。続く打者にボールが3つ続いたところで小宮山監督がベンチから飛び出してきて申告敬遠と同時に柴田(3年 早大学院)の交代を告げる。柴田がこのピンチをしのぎ、9回も抑えて、最後は3番・福岡(4年 川越東)のサヨナラヒットで辛うじてサヨナラ勝ち。
 7回、8回の継投について小宮山監督は「東大は相当いろいろなものを見ながらデータを収集しているでしょうから、であれば見ていないピッチャーを出した方がいいということも含めての判断です。」とコメントしているがこれは詭弁だ。他の大学との対戦でもこの点差で同じような継投できますか?
 2回戦は4回に3点。徳山(2 大阪桐蔭)の投球が安定していたのでハラハラすることはなかったが、追加点を奪えない打線にやきもき。最後は珍しいトリプルプレーで徳山がリーグ初完封。

野口(4 早大本庄)
野口(4 早大本庄)

2019年10月1日火曜日

小藤、決勝タイムリーツーベースで早稲田勝ち点

【No.96 2019/9/30 早稲田大 4‐1 明治大】
(神宮球場 東京六大学2019秋季リーグ戦)

 勝つことがこんなにチームを変えるのか。
早稲田は試合前からやる気に満ち、期待出来る雰囲気。明治のエース、森下を攻略できるか。
 2回表、今季初スタメンの瀧澤 虎太朗 (3年 山梨学院)のレフトへの犠牲フライで早稲田が先制。
 4回裏、先発の西垣 雅矢(2年 報徳学園)が明治の4番・喜多 真吾(4年 広陵)にセンター前ヒット、5番・森下 暢仁(4年 大分商)に左中間にツーベースを打たれワンアウト二、三塁。さらにキャッチャーの小藤 翼(4年 日大三)の打撃妨害で満塁。このピンチに早稲田はエースの早川 隆久 (3年 木更津総合)をマウンドに送る。早川は代打の公家 響(3年 横浜)を三振にとるが小藤が後逸し振り逃げ。この間に三塁ランナーがホームイン。小藤の立て続けのミスで1-1の同点。
 再三のピンチをしのいだ早稲田の9回表。4番・加藤 雅樹(4年 早稲田実)のツーベース、瀧澤の四球でツーアウト一、二塁のチャンス。7番・金子 銀佑(3年」 早稲田実)のサードゴロ。ベースを踏んでチェンジ、のはずが明治の三塁手・北本 一樹(4 年 二松學舍大附)がボールをつかみきれず、満塁。ここで前の打席、ツーアウト一、三塁で凡退している小藤。カウント1-2。ストレートをとらえた小藤のライナーがショートの頭上を抜ける。走者一掃のスリーベース。前の打席ではギアを切り替え150キロを連発した森下に力は残っていなかった。