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2017年5月9日火曜日

回転する球、しない球

【No.30 2017/5/6(土) 法政大 4-3 慶應義塾大 神宮球場 東京六大学 2017春季フレッシュリーグ】
【NO.31 2017/5/7(日) 東京大 4-23 東京大 神宮球場 東京六大学 2017春季フレッシュリーグ】
神宮球場の三塁側に今年も“なんじゃもんじゃ”の花が咲いた。ヒトツバタゴという正式名を持つこの木が“なんじゃもんじゃ”と呼ばれるようになったのには諸説あるらしい。明治時代に東京の青山練兵場(今の明治神宮外苑)の道路沿いにこの木があり、名前がわからなかったので「何の木じゃ?」とか呼ばれているうちにいつのまにか「なんじゃもんじゃ?」となったとする説を支持したい。
「なんじゃもんじゃ?(なにものじゃ?)」とまでは言わないが、世間的には知名度も低いであろう選手もたくさん出場する東京六大学のフレッシュリーグ。この週末は法政と慶應義塾、東大と立教が対戦した。

5/6の法政大と 慶應義塾大の試合には、横浜高校の左のエース、石川達也が先発。大きくしなやかなテークバックから投じられる130km台中盤(最速139km/h)のストレートには伸びがあって、高めのボール球に思わず手を出すバッターも。真上から投げ下ろす“真性のオーバースロー”。ボールは軸がまっすぐに近い縦回転で回転数が多く、バックスピンがかかっているのだ。このタイプのピッチャーの宿命(さだめ)、当たるとよく飛ぶ。この試合では慶應の7番・橋本昂樹 (2年 慶應) にライトにホームランを打たれた。空振りかホームランか。スリリングでちょっとぞくぞくする。



石川とは対照的に回転の少ない、しない球、ナックルボールで勝負するのが東京大の伊藤一志(3年 東海)。この試合ではそのナックルでこのリーグで初めての三振も奪った。初登板のときのような中途半端にストレートを使うことはせず、ほぼナックルボールだけの投球。変化量やコントロールが向上すれば面白いかもしれない。ただ、走れらすぎる。ランナーは出塁すると初球から躊躇なくスタートし、成功率100%のフリーパス。牽制やクイック、スタートを簡単に切らせない技術のアップが課題。フィル・ニークロなどMLBのナックルボーラ―たちはどういう対策をとっていたのだろうか?