【No.77 2019/7/25 豊田市・トヨタ自動車 4-6 千葉市・JFE東日本 東京ドーム 第90回都市対抗野球大会】
今年の都市対抗の決勝はともに早稲田OBのクローザーを擁するチーム同士の対戦となった。
ミスター社会人と言われるトヨタ自動車の佐竹功年。準決勝までの4試合すべて抑えとして登板し8イニングで自責点1(防御率1.12)。JFE東日本の須田幸太は11イニング2/3で自責点2(防御率1.54)。佐竹がリードした場面で出てくるのに対し、須田は同点あるいはリードされた場面で登板し、勝利を呼び込んでいる。佐竹が早稲田の後輩でもあるキャッチャーの細山田とのコンビで老獪な投球で抑えるのに対し、須田はストレート中心で打者を抑えにかかる。
両クローザーにどんな形でつなぐかが試合の大きなポイント。
1回表、トヨタがこの大会好調の4番・沓掛(慶應義塾大)のタイムリーで先制。2回裏、JFE東が8番・長谷川(法政大)の2ランで2-1と逆転。4回表、トヨタが8番・細山田のホームランで同点に追いつく。
同点になった直後の4回裏、トヨタに痛いミスが出る。ワンアウト一塁からのショートゴロ。ゲッツーのタイミングだったが、トヨタの北村(亜細亜大)がボールを落としファーストに送球出来ず。このあとJFE東が3連打などで4点とって6-2。
6回表、トヨタが多木のタイムリーで3-6と追いかける。7回表にはまたも沓掛のタイムリーで4-6。ツーアウト二、三塁の一打同点の場面。ここでJFE東は須田を投入。前の打席タイムリーの多木をサードゴロに打ち取り須田は大きくガッツポーズ。
2点差に追い上げたトヨタも流れを引き寄せる力をクローザーに求める。佐竹は内野安打を許すも2連続三振。
8回表の須田。先頭の西潟(桐蔭横浜大)に痛烈なライナーを打たれるがファースト岡田(駒澤大)がダイビングキャッチ。ツーアウトとなって迎える打者は早稲田、DeNAの盟友、細山田。しゃがんでスパイクの紐を結び直す須田、バッターボックスを外す細山田。二人だけの時間をじっくり楽しんでいるようだ。カウント1-1。インコースの142キロのストレートに細山田がつまる。完全なショートゴロなのに須田は身をていして捕りにいく。細山田もこたえるように一塁をしっかり駆け抜ける。
8回裏、佐竹‐細山田のバッテリーがツーアウト一、二塁。ファーストはけん制の必要がないのでベースから離れている。セカンドのけん制をフェークで入れておいてからのサインプレーの一塁けん制。ファーストが素早くベースに入り、佐竹の小さなモーションのけん制でタッチアウト。一塁ランナー岡田の反応を見てここぞとサインを出した細山田の冷静なジャッジ。
流れを引き寄せる大きなプレーのあとのトヨタ最後の攻撃。須田はビッグプレー直後のトヨタの勢いも意に介さず。IFE応援団のドームにひびく須田コールも後押しする。2連続空振り三振でこたえる。2番・小河をファウル2球で0-2とあっという間に追い込み、最後は渾身のアウトコースのストレートで見逃し三振。
0 件のコメント:
コメントを投稿