ページ

2017年3月11日土曜日

田嶋もまだ蕾なんだろうなあ

【No.001 2017/3/11 JR東日本 0-6 東芝 神宮 第72回JABA東京スポニチ大会】
アマチュア大会最初の公式戦、JABA東京スポニチ大会。ここ数年は平日開催だったりして来られなかったが、今年はありがたいことに土曜日開幕。しかも神宮球場の開幕試合は昨年の都市対抗覇者のトヨタ自動車と社会人トップレベルの戦力を誇るJR東日本の対戦。これは行くしかないでしょと試合の1時間前に神宮へ。ネット裏では「今年もよろしくお願いします」とのお仲間の方々と正月みたいなあいさつを交わす。一冬越して、また皆さんと元気で会えたことをとてもうれしく思う。
ドラフトの目玉の一人であるJR東日本の田嶋大樹が登板するとあって、ネット裏にはほぼ全球団がそろっているのではないかというスカウト銀座。
田嶋は初回、一死から四球を出し、3番・北村祥治(亜細亜大)、4番・樺澤健(東京農大)に連打されあっさり失点する。何となくフォームがしっくりして来ない感じで球速もコントロールももう一つ。
2回以降、クロスファイヤーなど田嶋らしさの片りんは見えてくるが5回に樺澤にレフトフェンス直撃のタイムリーツーベースを打たれるなど3本の長短打で3失点。6安打4失点3で5回で降板。奪三振も3。ストレートの最速は148km/hでカーブ、スライダーなども含めて球の品質が不ぞろい。3/25に開花が予想されている東京の桜みたいに田嶋の状態も“蕾”なのかもしれないなあ。シーズンが進んでいくにつれ、“大樹”にどんな見事な花を咲かせるだろうか。
神宮のネット裏の日陰の部分は凍えるような寒さ。明日、大切な予定もあるので、「神宮カレー」を食べて帰路についた。





2017年3月9日木曜日

『勝てる野球の統計学――セイバーメトリクス』 鳥越規央(著) 岩波科学ライブラリー

日本におけるセイバーメトリクスの第1人者、鳥越規央さんとデータスタジアムのアナリストによる入門書。
 野球における通説にセイバーメトリクスの手法で切り込んでいく。
「無死満塁は得点しにくい」ということはよく言われるし、僕自身も「意外と点が入らないだよなあ」なんて球場でつぶやいたりもする。しかし、実際は、「あるアウトカウント、塁状況から攻撃した場合にイニング終了までに入る得点」得点期待値は2.2(2004~2013NPB対象)と24種類の状況の中で最高の値なのだ。逆に意外と点が入っているのだ。2番目は無死二、三塁の1.974、3番目は1死満塁の1.541。
 この得点期待値、1死二塁では0.687、無死一塁では無死一塁では0.821。無死出た走者をバントで送るのは数字的にはむしろ得点が入りにくい状況を作ってしまっていることになるわけだ。
 得点期待値を使った打順の考察も面白い。1番打者は0.518、2番打者は0.548、3番打者は0.523。 「1番から始まる好打順」というのも通説だが、データ的には「2番から始まる好打順」なのだ。広島カープの黄金期に衣笠 祥雄が2番を打ったり、アレックス・ロドリゲスもマリナーズ時代は2番を打つこともあったしメジャーではつなぎのイメージは薄いのだ。2000年夏の強打で甲子園を席巻した智弁学園和歌山の堤野君も強打が印象的な2番バッターだったなあ。
 「打率」「本塁打」「打点」は必ずしも打者の「得点能力」を表したものではない?
セイバーメトリクスでは「打率」よりも得点との相関が強い出塁率、長打率を重視する。この出塁率と長打率を合計したものがOPS。これにさらに「走塁能力」「ランナーを進塁させる能力」を加味したものが、RC(Runs Created)、XR(Extrapolated Runs)。この当たりになると数式が複雑過ぎて僕のおつむではついていけない。三冠王となった王貞治さんの73年、74年はRC27が12.63、14.52と歴代3位と1位なのに対し、1984年三冠王のブーマーは9.13、1965年三冠王の野村克也さんは8.53と意外に低い数字。四球の少なさや併殺打の多さがこういう数値になると推測されている。同じ三冠王でも打つ以外の部分を数字に反映するとこんなにも違うのだ。
 「防御率」は失点回避能力を示す指標で投手を評価するものだが、自責点には味方の守備力、ポテンヒットのような運によるものもある。セイバーメトリクスではより精度の高い評価をするために日本でもすっかりおなじみになったクオリティースタート。「先発で6回以上投げ、自責点3点以内に抑える」。全先発試合におけるこの比率がQS率。2013年に24勝0敗の驚異的な記録を残した楽天の田中将大は100%。27試合の先発登板すべてでがQS。WHIPは「1イニングあたりに許す出塁数」。FIPは先発もリリーフも含めた能力を評価する指標で「奪三振」「与四球」「被本塁打」から計算する。「被本塁打」には球場の広さも絡むので、外野フライと「被本塁打」を絡めて計算するのがxFIP。ここまで来ると計算式も発想も難しすぎて何が言いたいのか分からなくなってくる。球場の広さという話が出たが、これにもPFという本塁打が出やすいかどうかを示す指標がある。NPBが使用する主な球場でもっとも本塁打が出やすいのは2013年時点では神宮球場(1.631)、もっとも出にくいのはナゴヤドーム(0.529)。
 背負ったランナーを生還させない力を示すのがIR。2013年の巨人の山口は0。登板時に背負ったランナーを一人もホームに返さなかったのだ。広島カープで中継で活躍した清川栄治はたまたまこの数字を雑誌で知り、年俸交渉に使ったのだとか。セイバーメトリクスなんてあまり知られてなかった時期だから球団の担当も面食らっただろうなあ。
 守備の上手さ、貢献度を「守備率」では語れないのは多くの人が認識していることだと思う。例えが古くなってしまうが、阪神の遠井吾郎一塁手が巨人の王貞治一塁手を守備率で上回っていても(実際にそういうシーズンがあったらしい)、遠井さんの方が王さんより守備がうまいとは思わないだろう。打球を処理したことよりも、打球を処理できなかった守備範囲の狭さを意識するからだろう。「守備範囲」+「失策しない能力」+「併殺奪取能力」+「肩力」で計算されるのがUZR。UZRの数字では2013年シーズン19の失策で守備率.936の広島の堂林翔太が名手と言われる宮本慎也(失策数3、守備率.977)よりも勝っているのだ。宮本が-0.3なのに対し、堂林は3.8。この差は宮本の「守備範囲」の狭さによるもの。「ミスをしない能力」だけでなく「より広い範囲をカバーする能力」を反映するのいいことだと思うが、エラーが周りに与える心理的ダメージは数値化出来ないからなあ。UZRは算出が複雑なので、と著者が一般ファンに紹介している守備の指標がRF。これは(刺殺+補殺)÷守備イニング×9。これは1試合におけるアウト寄与率を表した数字。2012年シーズンでは堂林が2.62、宮本が2.63と僅差。阪神の新井貴浩が2.00と言われると説得力があるような気がする。
 シーズンを通して最も活躍した選手に贈られるMVP。記者投票によるポイントによって選出される。ベテラン記者たちの眼力に委ねれている部分が大きい。セイバーメトリクス的に最も活躍した、もっともチームに貢献した選手を判断する指標がWAR。「控えレベルの選手に比べて、1年間で何勝分貢献したのか」を意味するこの数値は投手と野手の貢献度を同じ土俵で比べることが出来る。2013年シーズン、ヤクルトのバレンティンは8.3。この年、60本塁打のNPB記録をしたバレンティンはその打撃で守備面のマイナスを大きくカバーし8勝ひとりで稼いだのだ。ヤクルトは優勝していないが、当然のようにセ・リーグのMVPに選出されている。パ・リーグのMVPは24勝0敗の楽天の田中将大。当然、WARの指標でもトップか思いきや7.1で2位。田中を抑えてトップだったのが、WAR7.5の浅村栄斗。どれだけ得点を増やしたかを測る指標であるwRAAがリーグトップで全試合に出場した浅村がMVPに満票で選出された田中よりもWARの数字上はチームに貢献していることになる。こういった現象を見るとMVPは主観による投票が現在のところベターな選出方法だと思う。
 セイバーメトリクスはまだまだ発展途上。これからも研究がすすみ、いろいろな指標が出てくるだろう。これまでの指標は必ずしも専門家が考え出したものではなく、野球ファンによって考案されたものが少なからずあるらしい。書き溜めているスコアブックやあまり熱心に読まない記録集などもじっくり眺めてみようかなあ。


 

2017年2月25日土曜日

『ビッグデータ・ベースボール』トラヴィス・ソーチック (著)角川書店

20年連続負け越しのピッツバーグ・パイレーツを復活させた革命的なデータ活用法。
ホームランをたくさん打ってくれるスラッガーや三振でアウトを重ねてくれるピッチャーをFAなどで獲得できない貧乏弱小球団の対抗策は守備力。
 その戦術「3本の矢」が、①大胆な守備シフト②ピッチングフレーム③ゴロを打たせるためのツーシーム・ファストボールの多投。
 ①大胆な守備シフトと言えば日本では「王シフト」、アメリカでは「テッド・ウイリアムズシフト」などが有名だが、パイレーツの採用したシフトはその根拠となるデータと回数がケタ違い。
 ②ピッチングフレームとはジャッジがセンシブルなボールをストライクにするキャッチャーの技術。その才能をパイレーツの分析官によって見出されたのがラッセル・マーティン。ヤンキースで直前のシーズンの打率が2割1分のマーティンをパイレーツは他のどこの球団よりもいい条件でFAで獲得する。この強肩ではあるが打てない捕手は2007年から2011年までにそのピッチングフレームの技術でメジャーで2番目の
70点の失点を防いでいたからだ。その時期のパイレーツの正捕手は逆に65点を失っている。ちなみに参考資料を見ると、マリナーズの城島健司も33点失っている。
 「3球以下」でバッターを打ちとることにフォーカスしてインコースにツーシームで打たせて、①大胆な守備シフトでアウトにする。
 この「3本の矢」を支えているのがボールを追跡するシステムPITCHf/xなどで集められたビッグデータとそのデータを分析し生かす分析官である。どれだけたくさんのデータを集めてもそれを生かせなければ宝の持ち腐れ。パイレーツは、ダン・フォックス、マイク・フィッツジェラルドという2人の分析官が大きな“戦力”して活躍した。少なからず抵抗のあった現場をおさめたクリント・ハードル監督のマネージメント力、データ重視を導入したフロントの決断力を忘れてはならない。
 今後は心理学なども導入したソフト・サイエンスの部分も数値化してデータ活用していく可能性もあるのだとか。楽しみであるが、選手の“play”の余地が少なくなり、“work”の色合いが強くなり過ぎはしないかという危惧もある。

2016年12月3日土曜日

スカウト・デイズ 本城 雅人・著 (PHP文芸文庫)

「おまえ、スカウトの仕事は、チームにいい選手を入れることだと思っちゃいねえか」
伝説のスカウト堂神恭介の言葉の意味を新米スカウトの久米純哉は身を持って知ることになる。“堂神マジック”と言えれる隠し球の指名の陰にあるのは犯罪すれすれのきわどい情報戦や他球団だけでなく選手、関係者をもだますような駆け引き。戸惑いながらも純哉は章立ての「1年目」、「2年目」、「3年目」、「4年目」とスカウトとして成長していく。
スポーツ新聞記者の島岡達之は、“堂神マジック”の犠牲者の一人。先走った誤報記事がもとで左遷。堂神のしっぽをつかもうと奔走する。
二人が行き当たる“堂神マジック”の裏、「Dライン」。「Dライン」とは何なのかと野球小説はミステリーへと舵を切っていく。
著者の本城 雅人氏は「サンケイスポーツ」の記者だっただけにエピソードやキャラクターの描き方にリアリティがある。この話はあれがモデルになってるな、とかこのスカウトは〇〇さんがモデルとか思い浮かべながら楽しんだ。

2016年11月14日月曜日

神宮納め

 【No.105 2016/11/13 履正社高 4-3 福井工大福井高 神宮球場 明治神宮外苑創建九十年記念第四十七回明治神宮野球大会】
【No.106 2016/11/13 関西大 1-4 明治大 神宮球場 明治神宮外苑創建九十年記念第四十七回明治神宮野球大会】
今日も神宮。今年最後の神宮。
アマチュア最後の大きな大会、明治神宮大会。
8時30分プレーボールの高校の部から日没までどっぷり観戦することもあるが、今年は1週間後にフルマラソンを控えていることもあり自重。観戦を六大学代表の明治大学の初戦だけに絞った。
球場に着いたときは高校の部の第2試合の試合中。メインに備えて、腹ごしらえ。僕の球場めしはカミさんの作ってくれるおにぎりが定番だけど、最終日だけは神宮球場名物のカレーを食べることにしている。シンプルでどこかなつかしい味。

席に戻って、関西大学の応援団の人数にびっくり。六大学のリーグ戦並みもとい以上の入りではないか。
「関西大学 関西大学 関西大学 長き歴史」
伝統の学歌をここ神宮がホームグランドであるかのように堂々と歌い上げる。六大学では見られないチアスティックを使った応援はアメフトの応援の影響なのか。バスツアーで来た現役学生も多く来ているのか迫力がある。屈指の“応援力”を誇る明治もタジタジ。
応援で少し押し込まれた感のあった明治も試合では主導権を握らせない。初回に佐野 (4 広陵)、牛島 (4 門司学園) の連続ツーベースで先制。3回には佐野のスリーランで突き放す。エース柳 (4 横浜) を次戦に備えて5回で降板させ、齊藤 (3 桐蔭学園) 、星 (4 宇都宮工) が少しひやひやさせる場面もあったが4-1で勝利。
試合後も両校応援団の校歌、学歌、エール交換が粛々と。古き良き時代の大学野球を彷彿とさせる光景だった。
今年もお世話になりました。球場でおなじみの方にあいさつしたあとはしばし球場を眺めて、帰路についた。












2016年11月11日金曜日

古田式・ワンランク上のプロ野球観戦術 (朝日新書)

内容(「BOOK」データベースより)

球界一の頭脳派・古田敦也が、自身の経験を元に、野球観戦のレベルが格段に上がる「コツ」を、松井秀喜、イチロー、ダルビッシュ有、田中将大ら一流選手のプレーを例に挙げつつ伝授する。これを読めば、試合を見る「目」が、確実に変わる!

はじめにのところで古田氏は、2回変化球を空振りしたバッターが次のストレートを見逃して三振に倒れた場合を例にして、「多くのファンの皆さんは、このバッターを変化球もストレートも打てないただ駄目なバッターだと嘆かれると思います」として、そこにある深い心理戦が分かるようになるコツを伝授したいとこの本を初めている。
「なんでバットを振らないんだ」。これは、「バントくらい出来ないのか」と並んで「野球観戦あるある」的にネット裏でつぶやかれるフレーズ。そういう人に限って野球通を気取っているからたちが悪い。、「野球観戦」の経験値は高くても「野球」そのものの経験値は低いから仕方ないことだが、「もっと野球を深く観た方が楽しいのになあ」と常々思っている。
こういう本を読んで勉強して欲しいが、まあそういう方に限って謙虚さがないからなあ(笑)。俺は古田より野球を知っている、と言いかねない。

「ピッチャーの観方」「バッターの観方」「守備の観方」「監督の戦術」という章立てでプロ野球の選手を例に出しながら、ポイントを解説している。
「ピッチャーの観方」の章では、良いピッチャーの条件として①球速②変化球の種類③変化球の質④コントロールに加えて、クイックモーション、牽制球、バント処理(三種の神器)の大切さをと説く。こういう総合力の高いピッチャーとしてヤンキースの田中将大を挙げている。
上原浩司のフォークを使ったカウント稼ぎや三浦大輔のカットボールの有効な使い方、カーブを投げる難しさ、杉内俊哉のフォームの打ちにくさなども解説してある。
個人的に面白いなあ思ったのは、かつてはマウンドが今より30センチ高かったという事実。「2階から落ちてくるカーブ」というのもまんざら大げさな話ではないのだ。
「バッターの観方」。もっとも良いバッターは「選球眼」の良いバッター。落合博満さんは審判との会話の中で「選球眼」の良さを印象づけていったらしい。
「守備の観方」。自身のポジションであったキャッチャーについて「観察力」の大切さを説いている。
新庄剛志はイメージとは裏腹にベンチの指示がなくてもポジションを変えられる「できる」外野手だったのだとか。
「監督の戦術」ではID野球を叩きこまれた野村克也監督とのエピソード。最初のミーティングで黒板に書かれた言葉は「耳順」。人はとかく目から入ってくる情報ばかりに頼りがちだが、耳から入ってくる情報にもっと気をつけなさい、大切なことを聞き逃すなということ。これだけ書いたミーティングの翌日からプロとして、人として、野球人として自覚を問うミーティングが続いたのだとか。

「なんでバットを振らないんだ」とか言う前に人の話をもっと聞いてはいかが。「耳順」ですぞ。

2016年11月4日金曜日

清宮、5打席連続三振 その配球

【No.103 2016/11/3 慶應義塾大 1-10 法政大 神宮球場 2016東京六大学秋季新人戦】
【NO.104 2016/11/3 日大三 6-8× 早稲田実 神宮球場 平成28年 秋季東京都高等学校野球大会】
今日も神宮。
怪物はホームランではなく、三振でスタンドをわかせた。
早実の清宮幸太郎が「こんなに三振したのは初めて」という日大三の左腕エース桜井周斗から5打席連続三振。
5打席の配球を振り返る。記録に一部自信がないが....。

(第1打席)二死ランナーなし
①外ストレート(141km/h)を見逃すボール 1-0
②外スライダー(128km/h)に空振り タイミングが合ってない 1-1
③外スライダー(128km/h) 見逃しストライク 1-2
④スライダー(126km/h)空振り三振
外をストレート、横のスライダーで攻めて、最後は縦のスライダー。前の2人のバッターには使ってなかったボール。
(第2打席)二死ランナーなし
①外ストレート(?)を見逃すボール 1-0
②外スライダー(?)を見逃すボール 2-0
③外ストレート(140km/h) ファウル 2-1
④内ストレート(?)見逃しストライク 2-2
⑤スライダー(?)空振り三振
外を見せておいて、この試合始めてインコースのストレートで追い込む。最後は第1打席と同じ縦のスライダー。
(第3打席)一死ランナーなし
①外スライダー(127km/h)ファウル 0-1
②インコースストレート(?)ファウル0-2 振り遅れたバックネット方向へのファウル
③スライダー(127km/h) インコースから入ってくるスライダーに見逃し三振
この打席もインコースが効いていた。最後は外のスライダーをイメージしていたのか?
(第4打席)一死ランナー二塁
①外ストレート(?)ボール 1-0
②外スライダー(125km/h)見逃しストライク 1-1
③外ストレート(132km/h) 空振り
④外スライダー(126km/h)空振り三振
3打席連続の三振の焦りなのか、一打勝ち越しの気負いなのかボール球のスライダーを空振りしての三振。当てになきゃの追い込まれた気持ちが見てとれた。2打席目、3打席目で見せられたインコースのストレートはこの打席はなかったが、その効果を十分に感じた打席。
(第5打席)無死二塁
①外スライダー(128km/h)空振り 0-1
②外ストレート(?) ボール 1-1
③外ストレート(?)  ボール 2-1
④外スライダー(129km/h)ファウル 2-2
⑤外スライダー(126km/h)ファウル 2-2
⑥スライダー(129km/h)空振り三振
桜井のスライダーのキレも落ちてきていたが、ここまでの余韻で三振したような打席。一打サヨナラの場面に決めたいという気持ちが強く出て外のスライダーをおっかけていた印象。

桜井の体の近くで曲がってくるキレのいいスライダーがインコースを見せることでより有効だった。
これまで、清宮には「ぶつけてもいいから」とインコースを投げてくる投手が多かったが、桜井は「ぶつけてなくてもいい」インコースでストライクをとることを意識して投げていた。インコースにきっちり投げられる投手には参考になる攻め方だった。