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2020年7月18日土曜日

映画「ナチュラル」

  ひさしぶりにこの映画を観た。映画が公開された1984年、僕は19歳。東京で浪人していた。浪人の身でありながらオールナイトの寺山修司三本立てを観に行ったりしていたが、この映画を観に行った記憶はない。大学生になってから、当時流行っていたレンタルビデオで借りたのか、再上映を観たのかも覚えていない。いずれにしろ初めて見た時の印象はよくなかった。打ったボールの皮が破れたり、ホームランの打球がバックスクリーンの時計を壊したりする突飛なシーンに鼻白んだ。この映画に限ったことでないが、野球をかじったもののサガゆえか野球映画では野球技術の未熟さが気になって仕方なかった。今、改めて見るとロバート・レッドフォードのスイングやスローイングの形はきれいな部類に入る。中年の年齢のさしかかっても衰えないスターの美貌に嫉妬していたのかもしれない。映画の設定では35歳だが当時のロバート・レッドフォードは48歳!  
 謎の女に銃で撃たれる不運を乗り越えてメジャーリーグにデビューしたオールドルーキーの活躍で弱小チームは大躍進。自分のチームが負けることにチームの経営権を賭けていたオーナーがあの手この手で妨害してくる。スランプに陥るロイ。それを救うのが故郷でロイと将来を誓い合っていたアイリス。立ち直ったロイに牽引されたチームは優勝を争うまでに。しかし、ロイをまた不幸が襲う。優勝の前祝いのパーティーで脇腹の痛みで倒れてしまう。あのときの銃弾が胃にダメージを与えていたのだ。入院中のロイは医者の制止を振り切り命がけで優勝決定戦へ。  
 0-2で迎えた9回裏。ここまで不振のロイの元にアイリスからのメモ。アイリスの家にあったグローブの子はわが子だと知らされる。ランナー一、三塁。ホームランが出れば逆転サヨナラの場面。剛速球をとらえた打球はライトスタンドへ。しかし、ファール。ここでロイにさらなる試練。ロイが落雷した木から作ったバット、「ワンダー・ボーイ」が割れてしまったのだ。これを救うのがボールボーイのとっておきのバット。勇気を得たロイは腹から血を流しながらも照明塔にぶつけるホームランを放ってチームを優勝に導くのだ。  次の日からのワールドシリーズのことは言いっこなしで、映画史に残る名シーン。かつて自分が父親としたように今度はロイが自分の息子とキャッチボール。

 

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