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2017年5月28日日曜日

早慶戦の洗礼

【No.40 2017/5/27 早稲田大 5-8 慶應義塾大 神宮球場 東京六大学 2017春季リーグ戦】
「早川も早慶戦の洗礼ですね」
 満塁ホームランを打たれてマウンドを降りる早川の姿を見て、“彼”はつぶやいた。
 初めての早慶戦で1回持たずにマウンドを降りた自分と重ね合わせたのだろう。同じ「罪」を犯した仲間を見るようでどこかうれしそう。
 神宮球場が真っ二つに割れ、選手ばかりでなく応援団、OBが激しく火花を散らす。早慶戦の空気感は他のリーグ戦の試合とはまったく違うものだ。“彼”は甲子園よりもプロの初登板よりも早慶戦は緊張したと言う。
 この試合の早川もまったく別人だった。浮足立っていた。高校時代から定評のあるコントロールが乱れて2連続の四球のあげくにドカーンとグランドスラム。何が起こったのか自分の中で分からないうちにマウンドを降りたのではないか。
 “彼”は洗礼をバネにその後、一度も早慶戦で負けることなく卒業した。この経験を生かすも殺すも早川次第だ。