ページ

2016年11月14日月曜日

神宮納め

 【No.105 2016/11/13 履正社高 4-3 福井工大福井高 神宮球場 明治神宮外苑創建九十年記念第四十七回明治神宮野球大会】
【No.106 2016/11/13 関西大 1-4 明治大 神宮球場 明治神宮外苑創建九十年記念第四十七回明治神宮野球大会】
今日も神宮。今年最後の神宮。
アマチュア最後の大きな大会、明治神宮大会。
8時30分プレーボールの高校の部から日没までどっぷり観戦することもあるが、今年は1週間後にフルマラソンを控えていることもあり自重。観戦を六大学代表の明治大学の初戦だけに絞った。
球場に着いたときは高校の部の第2試合の試合中。メインに備えて、腹ごしらえ。僕の球場めしはカミさんの作ってくれるおにぎりが定番だけど、最終日だけは神宮球場名物のカレーを食べることにしている。シンプルでどこかなつかしい味。

席に戻って、関西大学の応援団の人数にびっくり。六大学のリーグ戦並みもとい以上の入りではないか。
「関西大学 関西大学 関西大学 長き歴史」
伝統の学歌をここ神宮がホームグランドであるかのように堂々と歌い上げる。六大学では見られないチアスティックを使った応援はアメフトの応援の影響なのか。バスツアーで来た現役学生も多く来ているのか迫力がある。屈指の“応援力”を誇る明治もタジタジ。
応援で少し押し込まれた感のあった明治も試合では主導権を握らせない。初回に佐野 (4 広陵)、牛島 (4 門司学園) の連続ツーベースで先制。3回には佐野のスリーランで突き放す。エース柳 (4 横浜) を次戦に備えて5回で降板させ、齊藤 (3 桐蔭学園) 、星 (4 宇都宮工) が少しひやひやさせる場面もあったが4-1で勝利。
試合後も両校応援団の校歌、学歌、エール交換が粛々と。古き良き時代の大学野球を彷彿とさせる光景だった。
今年もお世話になりました。球場でおなじみの方にあいさつしたあとはしばし球場を眺めて、帰路についた。












2016年11月11日金曜日

古田式・ワンランク上のプロ野球観戦術 (朝日新書)

内容(「BOOK」データベースより)

球界一の頭脳派・古田敦也が、自身の経験を元に、野球観戦のレベルが格段に上がる「コツ」を、松井秀喜、イチロー、ダルビッシュ有、田中将大ら一流選手のプレーを例に挙げつつ伝授する。これを読めば、試合を見る「目」が、確実に変わる!

はじめにのところで古田氏は、2回変化球を空振りしたバッターが次のストレートを見逃して三振に倒れた場合を例にして、「多くのファンの皆さんは、このバッターを変化球もストレートも打てないただ駄目なバッターだと嘆かれると思います」として、そこにある深い心理戦が分かるようになるコツを伝授したいとこの本を初めている。
「なんでバットを振らないんだ」。これは、「バントくらい出来ないのか」と並んで「野球観戦あるある」的にネット裏でつぶやかれるフレーズ。そういう人に限って野球通を気取っているからたちが悪い。、「野球観戦」の経験値は高くても「野球」そのものの経験値は低いから仕方ないことだが、「もっと野球を深く観た方が楽しいのになあ」と常々思っている。
こういう本を読んで勉強して欲しいが、まあそういう方に限って謙虚さがないからなあ(笑)。俺は古田より野球を知っている、と言いかねない。

「ピッチャーの観方」「バッターの観方」「守備の観方」「監督の戦術」という章立てでプロ野球の選手を例に出しながら、ポイントを解説している。
「ピッチャーの観方」の章では、良いピッチャーの条件として①球速②変化球の種類③変化球の質④コントロールに加えて、クイックモーション、牽制球、バント処理(三種の神器)の大切さをと説く。こういう総合力の高いピッチャーとしてヤンキースの田中将大を挙げている。
上原浩司のフォークを使ったカウント稼ぎや三浦大輔のカットボールの有効な使い方、カーブを投げる難しさ、杉内俊哉のフォームの打ちにくさなども解説してある。
個人的に面白いなあ思ったのは、かつてはマウンドが今より30センチ高かったという事実。「2階から落ちてくるカーブ」というのもまんざら大げさな話ではないのだ。
「バッターの観方」。もっとも良いバッターは「選球眼」の良いバッター。落合博満さんは審判との会話の中で「選球眼」の良さを印象づけていったらしい。
「守備の観方」。自身のポジションであったキャッチャーについて「観察力」の大切さを説いている。
新庄剛志はイメージとは裏腹にベンチの指示がなくてもポジションを変えられる「できる」外野手だったのだとか。
「監督の戦術」ではID野球を叩きこまれた野村克也監督とのエピソード。最初のミーティングで黒板に書かれた言葉は「耳順」。人はとかく目から入ってくる情報ばかりに頼りがちだが、耳から入ってくる情報にもっと気をつけなさい、大切なことを聞き逃すなということ。これだけ書いたミーティングの翌日からプロとして、人として、野球人として自覚を問うミーティングが続いたのだとか。

「なんでバットを振らないんだ」とか言う前に人の話をもっと聞いてはいかが。「耳順」ですぞ。

2016年11月4日金曜日

清宮、5打席連続三振 その配球

【No.103 2016/11/3 慶應義塾大 1-10 法政大 神宮球場 2016東京六大学秋季新人戦】
【NO.104 2016/11/3 日大三 6-8× 早稲田実 神宮球場 平成28年 秋季東京都高等学校野球大会】
今日も神宮。
怪物はホームランではなく、三振でスタンドをわかせた。
早実の清宮幸太郎が「こんなに三振したのは初めて」という日大三の左腕エース桜井周斗から5打席連続三振。
5打席の配球を振り返る。記録に一部自信がないが....。

(第1打席)二死ランナーなし
①外ストレート(141km/h)を見逃すボール 1-0
②外スライダー(128km/h)に空振り タイミングが合ってない 1-1
③外スライダー(128km/h) 見逃しストライク 1-2
④スライダー(126km/h)空振り三振
外をストレート、横のスライダーで攻めて、最後は縦のスライダー。前の2人のバッターには使ってなかったボール。
(第2打席)二死ランナーなし
①外ストレート(?)を見逃すボール 1-0
②外スライダー(?)を見逃すボール 2-0
③外ストレート(140km/h) ファウル 2-1
④内ストレート(?)見逃しストライク 2-2
⑤スライダー(?)空振り三振
外を見せておいて、この試合始めてインコースのストレートで追い込む。最後は第1打席と同じ縦のスライダー。
(第3打席)一死ランナーなし
①外スライダー(127km/h)ファウル 0-1
②インコースストレート(?)ファウル0-2 振り遅れたバックネット方向へのファウル
③スライダー(127km/h) インコースから入ってくるスライダーに見逃し三振
この打席もインコースが効いていた。最後は外のスライダーをイメージしていたのか?
(第4打席)一死ランナー二塁
①外ストレート(?)ボール 1-0
②外スライダー(125km/h)見逃しストライク 1-1
③外ストレート(132km/h) 空振り
④外スライダー(126km/h)空振り三振
3打席連続の三振の焦りなのか、一打勝ち越しの気負いなのかボール球のスライダーを空振りしての三振。当てになきゃの追い込まれた気持ちが見てとれた。2打席目、3打席目で見せられたインコースのストレートはこの打席はなかったが、その効果を十分に感じた打席。
(第5打席)無死二塁
①外スライダー(128km/h)空振り 0-1
②外ストレート(?) ボール 1-1
③外ストレート(?)  ボール 2-1
④外スライダー(129km/h)ファウル 2-2
⑤外スライダー(126km/h)ファウル 2-2
⑥スライダー(129km/h)空振り三振
桜井のスライダーのキレも落ちてきていたが、ここまでの余韻で三振したような打席。一打サヨナラの場面に決めたいという気持ちが強く出て外のスライダーをおっかけていた印象。

桜井の体の近くで曲がってくるキレのいいスライダーがインコースを見せることでより有効だった。
これまで、清宮には「ぶつけてもいいから」とインコースを投げてくる投手が多かったが、桜井は「ぶつけてなくてもいい」インコースでストライクをとることを意識して投げていた。インコースにきっちり投げられる投手には参考になる攻め方だった。