【No.005 2017/3/20 慶應義塾大 2-7 日本製紙石巻 (慶應下田G )オープン戦】
「成長している」「バッターを見下ろして投げられるようになった」「フォークが素晴らしい」「いいリードだ」。
プレーボール直後に僕の隣に座った元監督。辛口評論家氏(?)の舌鋒を巧みに交わしながら口から出るのは選手が聞いたら喜びそうな言葉ばかり。
「フォークが素晴らしい」菊地恭志郎(3年 慶應志木)はホームランを含む10本のヒットを打たれ5失点も社会人のチームから6個の三振を奪った。
フォークを初球から使うなど的を絞らせない配球のキャッチャー郡司裕也(2年 仙台育英)。打たれる場面も多かったが、落ち着いて粘り強くリードしていた。
日本製紙石巻の9回のマウンドは塾OBのルーキー小原大樹。後輩に3本のヒットを打たれるが最後は気持ちのこもったストレートで三振を奪い得点は許さず。結果だけ見るとあっぷあっぷと言ってもいいのだが、「バッターを見下ろして投げられるようになった」のだ。
勝負の一線から退いた元監督の優しいまなざしに触れ、温かい気持ちでグランドをあとにした。